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 蛇口をひねれば簡単に手に入る水道水、そしてスーパーやコンビニなどに並ぶ豊富なミネラルウォーター。日本で暮らしていると、水は永遠に際限なく飲んだり使ったりできるような錯覚に陥りがちですね。しかし、世界では深刻な水不足や水をめぐる争いが起こっていることを、皆さんはご存知でしょうか?
  今回は水について特集します。水の循環について、世界で起こっている問題、水を守るための取り組みなどを学んでいきましょう。

空も海も山も一つ。水は循環している

 

数学が大好き! でも試験勉強は大嫌い

 地球にはおよそ14億㎦という莫大な量の水があるといわれています。ですが、そのうちの97・5 %は海水です。残りの2.5%が淡水ということになりますが、淡水のうち約70%は南極と北極の氷なので、実際に人が生活するために必要な水――川や湖や池の水、地下水はたった0.8%しかありません。
  では、今回の話に海は関係ないのかといえば、大いに関係があります。際限なく流れてくる川の水、なくならない湖や池の水は、実は海を巻き込んだ地球上の水の循環によって保たれているのです。
  山に降った雨や雪(雪解け水)は、地表を流れ(表流水)低い谷に集まったり、森林の土に浸み込んで地下にたくわえられたりします(地下水)。集まった水や、地下水から湧き出た水(湧き水)は川となり、やがて海へと注ぎ、海でたくわえられます。地下水は池の水にもなります。また、海や池、地表の水などは太陽の熱で温められると水蒸気となり、空に上っていきます。それらが集まりやがて雲をつくります。雲は雨や雪を

●地球上の水循環

降らせます。こうして、水は雲から山へ、山から川へ、そして海へと旅をして地球を潤しているのです。また、海や池、地表などで起こる水の蒸発は、地表の温度を下げる働きもあります。NASA(アメリカ航空宇宙局)の予測によると、もし水循環がなければ、地表の温度は67℃にまで上昇してしまうのだそうです。
  近年は、地球温暖化の影響により、蒸発量と降雨量が増えていると考えられています。また、水循環の周期が変化していて、氷河の後退などの現象を招いているといわれています。水循環の周期が変化する要因の一つに、水量や水流、水質の変化をもたらすダムの存在があります。その一方で、生活用水を確保するために、ダムは欠かせない存在でもあるのです。

水道水が届くまでの道のりを学ぼう

 

水道水はどこからやって来る?

 水道水のほとんどが河川を水源としています。河川の水を安心して飲めるようにするのが市町村の水道局(または水道部など)です。上の図と照らし合わせながら水道水ができるまでを見ていきましょう。@まず、ダムで川をせき止めて人工の湖を造ります。水の量を確保するためです。A次に、水を取り入れます(取水)。取り入れられた水は、B導水路や導水管を通って、C浄水場へと運ばれます。浄水場では、水の中に含まれるゴミや砂などをろ過して取り除いたり、消毒をしたりします。D消毒を終え安心して飲めるようになった水は、D配水所(給水所)へと運ばれます。ここでは水道の使用量に合わせて配水の量を調節しています。E配水は、道路の下に埋められた配水管を通り、建物ごとに設置された給水管から水を送ります。
  生活用水のうち、家庭で使用する水を家庭用水、会社などで使用する水を都市活動用水と呼んでいます。国土交通省によれば、水洗トイレの普及などの生活様式の変化や人口増加などで生活用水の使用量は劇的に増えたそうです。

●水道水ができるまで

 

ダムの種類

 ダムには様々な目的があります。主なダムの種類には、河川の下流部での洪水被害を防ぐなど治水を目的とした「治水ダム」、農地で使用する灌漑用水や上下水道水などを確保したり、水力発電に利用したりするための「利水ダム」があります。また、複数の目的のために造られたダム、治水と利水両方を目的としたダムを「多目的ダム」と呼びます。
  1928年に創設された国際大ダム会議では、堤高(ダムの高さ)5m以上、貯水容量300万?以上をダムとして定めています。現在、世界一の貯水量を誇るのは南部アフリカのカリバダムで、その総貯水量は約1806億?、琵琶湖の容量の約67倍にもなるそうです。

水をめぐる問題について考えよう

 

深刻化する水不足

 日本でも長い間雨が降らなければ水不足となり、農業用水や水道水の給水制限が起こり問題となりますね。これを世界規模で見た時、水資源をめぐる問題はさらに深刻であることがわかります。
  2012年3月、国際連合(国連)は気候の変動と食糧需要の増加によって、世界各地で水不足が深刻化していると発表しました。同月に開催された「第6回世界水フォーラム」のためにまとめられた「世界水発展報告書」によれば、世界中で衛生的な飲み水を利用できない人が10億人も存在していること、人口増加による食糧需要の増大により農業用水がもっと必要になることが問題視されています。
  また、水がどんどん必要になる一方で、気候の変動によって、干ばつや、かえって飲み水が不足してしまうことになる洪水が頻発。特にアジア南部やアフリカ南部などで水不足が深刻となり、莫大な治水費用が必要な地域、地下水など再生不可能な水資源が枯渇してしまった地域などもあるようです。湖や沼が小さくなってしまった例もあります。

 

日本には関係のないこと?

 水資源に比較的恵まれている日本にとって、他国の深刻な水不足の問題は一見関係ないことのように思えます。ですが、実際は、日本こそが水不足を引き起こす大きな原因の一つになっているのです。
  人口が増加し、また肉食が増えることによって、世界では食糧を増産するためにたくさんの農業用水が必要になります。特に小麦粉などの穀物の栽培には大量の水が必要で、穀物を1s生産するためには1tもの水を消費しなければならないといわれています。人が穀物や野菜などを消費するのに加え、牛や豚などの家畜を育てるためにも大量の牧草や穀物などが必要なので、肉食が増えることもまた水不足につながるのです。日本をはじめとする先進国はたくさんの食糧を発展途上国からの輸入に頼っているので、水不足とは無関係とはいえません。このように間接的に消費している水を仮想水といいます。日本の輸入作物を育てるために必要な水の量は、年間約640億?にもなるという計算もあります。日本人は世界の水を一人一日1460Lほど輸入していることになります。

 

暮らしの中でできること

 2050年には世界の人口は90億人に達すると予想され、ますます水の消費が加速していくと考えられています。地球温暖化がもたらす気候の変動による水不足の問題も進んでいくでしょう。近い将来、水をめぐる争いが世界各地で問題となるかもしれません。
  水は生活に欠かせない、また命にかかわる大事な資源です。世界で起こっている水の問題を知る、節水など水の危機を回避するための方法を考えるなど、水資源のために一人ひとりができることから始めていきたいですね。

 

水と森の深いつながり

 皆さんは「緑のダム」という言葉を聞いたことがありますか? 3ページでは水循環を紹介しましたが、水と森林には深いつながりがあります。森林に降った雨水は、ゆっくりと土の中へと浸み込んでいき、長い時間をかけて移動して川へと流れ込みます。森にたくわえられた水は、すぐに海へと流れてしまったり、一度に蒸発してしまったりすることがありません。雨がたくさん降った時には森林が洪水を防ぐ働きもします。まるで人工のダムのような役割を担うことから、森林は「緑のダム」と呼ばれているのです。
  この「緑のダム」を守り育てようという動きが、近年特に注目されています。日本においても様々な活動がありますが、今回は飲料メーカーのサントリーホールディングス株式会社の取り組みを紹介したいと思います。

 

「天然水の森」活動

 飲料商品を手がけるサントリーにとって、森林が育む良質な地下水、すなわち天然水は欠かせない存在です。そこで、同社では、およそ20年以上の歳月をかけて育まれる天然水を守るための活動に力を入れています。それが「天然水の森」活動です。
  森林の土には落ち葉が降り積もり、地中には小動物や昆虫、木の根などによって隙間ができていて、水が浸み込みやすい「ふかふかの土」になっています。この「ふかふかの土」こそが「緑のダム」に欠かせないのです。そして、サントリーの「天然水の森」も「ふかふかの土」を育むことを目的としています。

 

(右)豊富な水が育まれる「天然水の森」。
(上)プロによる間伐の様子。木が成長するために必要な間隔を保ち、太陽光が地面まで届くようにする作業です。間伐された木は、木材として出荷される他、幅広く活用されています。

 

サントリーの森づくり

 「天然水の森」活動が始まったのは2003年。最初はサントリー九州熊本工場の水源涵養エリアでした(水が土に浸透して地下水となることを涵養といいます)。そして現在、活動は13都府県17か所に広がっています。 「天然水の森」の総面積は7600haを超えるそうです。 専門家や研究家、そして地元の人々と協力しながら、森林を整備したり、地下水の涵養力を高めるための研究を行ったりしています。ヘリコプターによるレーザー航測で従来では不可能だった緻密な測量を行い、地形を把握することも大切です。植樹をしたり、木が十分に成長できるよう間伐を行ったりして健全な状態に保つようにもします。間伐して伐り出された木でも、しっかりと成長していれば木材として出荷できますし、炭にするなどの方法も見出すことができるのです。こうして、サントリーでは、森を守り育てることによって、美味しい天然水を商品として出荷し、貴重な森林を100年先の未来へ残そうとしています。

 

美味しい水を伝える

 サントリー水科学研究所では、天然水の調査研究に力を入れています。豊富で安全な天然水をずっと飲み続けることができるように、水循環の解明や生物についての研究などを進めているのです。「天然水の森」においても、水や土、植物などの調査を行っている他、水文学(水循環を対象とした地球科学の分野)をはじめとする多くの分野の専門家とも協力しています。
  また、サントリーでは、水の大切さを子どもたちに伝えるための「水育」を実施しています。小学校3〜6年生とその保護者を対象に実施している自然体験教室「森と水の学校」では、天然水が育まれる森を歩き、川遊びをしたり、生き物を観察したりして、自然の大切さを学びます。現在は、山梨県の白州、鳥取県の奥大山、熊本県の阿蘇の3教室があります。「森と水の学校」は夏休みに実施され、毎年春に募集開始となります。ぜひホームページを確認してみてください。また、東京都など1都2府7県の小学校では、水育講師による出張授業も実施しています。これらの活動の様子はホームページでチェックできます。
  皆さんも、森と水のかかわりを意識して、いつまでも美味しい水が飲めるようにするにはどうすればいいのか、どのようなことが必要なのか、今回の特集を機会に考えてみてはいかがでしょうか。

研究員による水の調査。水科学研究所では、地下水の流れを調査したり、水の成分を分析したりします。

 

サントリーホールディングス株式会社
http://www.suntory.co.jp/

★サントリーの環境活動については
http://www.suntory.co.jp/eco/)をご覧ください。

水育「森と水の学校」についての
お問い合わせ
フリーダイヤル 0120-090017
9:30〜17:30月〜金(祝日を除く)

(右上)「森と水の学校」の様子。川で思いっきり遊んだり、森の中で木々に触れたり、生き物を観察したり、体験を通して自然の大切さを学びます。
(左上)「出張授業」は小学校4〜5年生が対象です。

 

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