大学の学長先生の勉強時代のインタビューを掲載。

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わたしの勉学時代

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1886(明治19)年の関西法律学校創立を前身とする関西大学。関西屈指の私立大学として、国際社会に通用する優れた人材の輩出を目指し、ハードとソフトの両面から教育環境の整備に注力しています。今回は、2009年10月に同大学の学長に就任された、楠見晴重先生にお話を伺いました。進路について悩まれた経験をされている先生のお話から、進路選択の大切さを学んでください。

父の仕事に興味を持つ

 私は大阪市内の生まれですが、幼稚園から高校までを兵庫県西宮市仁川町で過ごしました。子どもの頃の遊び場といえば、町名にもなっている仁川ですね。水がとてもきれいで、家から10分ほどのところが岩場のある渓流になっていましたから、そこで泳いだり、魚を捕まえたりしていましたよ。近くに山もあって、野うさぎに遭遇することもありましたね。自然豊かな環境で、のびのび育ったと思います。
  私たちは、父が勤める*1清水建設が用意したアパートに住んでいました。住民同士の交流も頻繁で、夏は屋上に集まって食事をしたり花火をしたりしましたよ。清水建設の仕事については、父が持ち帰る社内広報用のパンフレットを読んで興味深い分野だと思っていました。また、地区ごとで社員が集まって運動会を開いていたのですが、そこで技術職の社員の方から話を聞く機会もありました。事務職だった父からは聞けないようなこともたくさんあり、大変興味深かったですね。こうした経験が、将来進む道に少なからず影響を与えたと思います。

 

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父は大変厳しい人でした。私はもともと左利きだったのですが、箸と鉛筆は右手で持つように矯正されました。

  *1 清水建設…江戸時代後期、1840年創業の大手総合建設会社。東海道新幹線静岡駅高架橋や幕張メッセ、JR博多シティなど多くの大工事を
             JR博多シティなど多くの大工事を手がけている。

自信が成績アップにつながる

 小学校時代は、暗くなるまで外で遊ぶ毎日でした。体を動かすのは大好きでしたが、勉強はあまり得意ではなかったですね。そんな私でしたが、小学6年生の時、担任の坂村先生と出会って変わりました。教え子のことを認め、受け入れてくれる方で、それで自信が持てるようになったのです。勉強も好きになり、成績も伸びて、クラスで上位になることができました。今でも強く印象に残っているほど、当時の私に大きな影響を与えた出会いだったと思います。
  小学生の時の得意科目は、算数と理科でした。特に算数が好きで、中学年の頃にそろばん塾に通っていたこともあり、計算はよくできたほうだと思います。地理も得意でした。暗記物は苦手だったのですが、国名や都市名などはすぐに覚えることができました。地図が好きで、鉄道にも興味があったからではないでしょうか。それは中学進学後も変わらなかったですね。数学は、論理的な思考力をもって問題に挑めるところが好きでした。特に図形や幾何学とは相性がよかったです。
  中学でも勉強はできたほうでしたが、それ以上にクラブ活動に力を入れていました。はじめは水泳部に入部したのですが、1年生の8月に行われた兵庫県大会では、いきなりバタフライの学年別競技で2位入賞。その後バスケットボール部に転部して、3年生の時にはレギュラーになりました。高校生になっても、バスケットボールを続けたいと思うほど熱中していました。

志望校に入れない「兵庫方式」

 私が通っていた西宮市立甲陵中学校は、家からとても近く、クラブ活動を終えて帰宅しても十分に勉強時間が確保できました。高校も、家から近くて部活動にも集中できる県立西宮高等学校への進学を希望していたのですが、実際はそうはいかなかったのです。
  当時、兵庫県の高校入試は、内申書重視の「*2兵庫方式」を採用していました。しかも、学生は学区内にある公立高校4校の学力に差が出ないように、機械的に割り振りされていたのです。今は制度が変わりましたが、私の時は希望する高校に行くことができませんでした。入学した西宮市立西宮東高等学校は、家から最も離れていて、電車に乗って片道50分ほどかかりました。また、当時の西宮東高等学校は、私でちょうど7期生の新しい学校でした。実験的な教育方法を積極的に取り入れていて、授業時間は65分で1日5コマ、他の高校よりも長いのです。若い先生が多く受験指導も熱心と聞いていましたから、部活動に精を出したいと思っていた私は通いたくなかったですね(笑)。実際に入学してみると、先生方は親身になって指導してくださいましたし、学校の設備も新しく充実していましたので、素晴らしい学校であると実感できました。ですが、バスケットボール部と勉強の両立がうまくできずに、成績が落ち込んでしまったのです。2年生進級時にクラス分けがあり、私は理数科クラスを志望していたのですが、そこに入るにはある程度の成績が必要でした。このままではだめだと思い、必死に勉強をして何とか希望のクラスに入れた時は、ほっとしましたね。

  *2 兵庫方式…兵庫県教育委員会が1968年度より実施を決定した高等学校の入学選抜方式。
      調査書(内申書)の内容と、文章や数式、理科実験などにおける基礎的な学習能力を調べる学力検査などによって、合格者を選別した。

大学で学部のミスマッチを経験

 高校2年生の時、将来の目標ははっきりとは定まっていませんでした。受験生になって、ようやく建築か土木の分野に進もうと考え始めます。できれば、自然災害を予防する術を考えたり、橋やダムなどの構築物を造ったりする土木を学びたいと思っていました。
  しかし、進学に際しては必ずしも順調にいったわけではなく、少し回り道もしました。自分がやりたいことやモチベーションとの葛藤に苦しみましたが、この経験と「土木を学びたい」という決意が、その後の人生において貴重な経験となったと思います。学びたいことから目を背けることは、本人にとっても不幸です。皆さんも、大学選びの際は幅広い視野で自分を見つめ、周りに流されずに「本当に学びたいこと」を見つけてほしいと思います。

景観を保護しつつ、災害を防ぐ

 大学院時代は、一日のほとんどを研究室で過ごしました。特に冬場は、下宿先に暖房設備がなく、コップの水が氷るほどひどく冷え込むので、研究室にいたほうが快適だったのです。
  私の研究分野は地盤工学です。集中豪雨によって引き起こされる土砂崩れのメカニズムを解明し、未然に防ぐ工法を開発するのも研究の一つです。皆さんも、コンクリートやモルタルで斜面を覆っているのを見かけたことがあれば、景観が損なわれているなと感じたことがあるかもしれません。私の研究は、木を伐採せずに、できるだけ自然を残したまま斜面の安定を図っていこうというものです。この工法は特許を取っていて、いくつかの場所では実用化されています。最近では特に集中豪雨の降り方が変わってきている、ひどくなっていると思いますが、それにも耐えているのですよ。自然保護をしつつ、災害を防ぐ工法です。日本にはたくさんの斜面があります。この工法が、さらに広まってくれればと思っています。 また、10年ほど前になるのですが、京都盆地にどれほどの地下水が眠っているかをシミュレーションしました。計算してみると、琵琶湖ほどの水量があることがわかったのです。大変驚きましたし、この研究結果はメディアでも取り上げられ話題になりました。

 

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大学を受験し直そうと考えた時、研究者の道に進もうと考えた時、「やりたいことをやりなさい」と背中を押してくれたのは父でした。

茶道や京豆腐、伏見の酒など、京文化は地下水と深い関わりを持っています。京の都が1200年以上続いた理由の一つに、この豊富な地下水があったと私は考えています。この地下水は京都府南山城地方では、上水道用として利用されていますが、今後とも、良質な地下水として継続的に利用されるために、自治体等に対して、技術指導を行っています。

夢や目標を持ってほしい

 先ほども申し上げましたが、皆さんには、自分が何を学びたいのか、将来何になりたいのかということを考えてほしいと思います。漠然としたことでも、途中で変わってもいいのです。夢や目標を持つことで、自然と周りのことに興味を持てると思います。
  また、近年は理系の学問を志す学生が減少していると感じています。その理由の一つに、何を研究しているのかわかりづらいということがあると思うのです。私が専門とする土木工学も、認知度は高くないと実感しています。建築と土木の違いを知っている高校生は、少ないのではないでしょうか。今回、少しだけ話をさせていただきましたが、土木について興味があれば、ぜひ積極的に調べてほしいですね。私たちも、皆さんに知ってもらう機会を出来る限り設けていきたいと思っています。
  それから、もっと自然と触れ合う機会を持ってほしいと思います。休日を利用して、家族で山や川などへ遊びに出かけるというのもいいですね。自然科学への興味は、遊びの中から生まれてくるものです。遊びの中で培った経験は、将来決して無駄にはなりません。私が幼い頃経験したように、どんどん体を動かしてほしいと思います。

「Tutorial English」始動

 グローバル社会に対し優位な人材を輩出することを目標とする関西大学では、2013年4月より、少人数制のオーラルコミュニケーションプログラム「Tutorial English(チュートリアル・イングリッシュ)」を本格的にスタートしました。学生数人(多くて5人まで)に1人のネイティブティーチャーを付け、英語でのコミュニケーションを実践するプログラムです。1日3コマ、10日間の集中カリキュラムで、英会話に対して感じている壁を取り払います。「学生には自信を持ってもらい、海外留学や異文化コミュニケーションに積極的に取り組めるようになってもらいたい」と楠見先生。早い段階で英会話に自信を持ち、国際人としての一歩を踏み出すための素晴らしいサポート・カリキュラムです。  

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「Tutorial English」授業の様子

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