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 2011年度より、小学校第5、6学年において、年間35単位時間の「外国語活動」が必修化されました。また、多くの大学でも、グローバル化社会に柔軟に対応できる人材を輩出するため、学生の英語力を高める教育に力を入れています。
  今回の特集では、なぜ英語が必要とされているのかを理解し、英語力を身につけるためにはどうすればいいかを考えます。高校の英語の授業も紹介。先生方に英語教育についてお話を伺いました!

なぜ英語を学ぶの?

 現在、英語は世界の約80か国以上で話されています。英語を世界共通語であると認識している人がほとんどでしょう。実際、その使用頻度は、他の言語に比べ圧倒的に高いと言えます。
  現在、多くのビジネスシーンにおいては英語が活用され、日本でも「勤務中は英語のみを使用する」と定める企業が出てきました。英語でのコミュニケーション力を高めるため、社員に英会話のレッスンに通わせたり、昇進の条件としてTOEICを受検させたりする会社もあるようです。就職活動をする学生にもTOEICの得点(スコア)の提出を要求する企業があることは、時々話題になります。また、各分野の研究においても、特に優れた論文を掲載する学術雑誌(権威があると言われている学術雑誌)は、英語で出版されているものが圧倒的に多いです。ですから、論文を書く研究者はもちろん、それを読む研究者や学生にも英語力が求められることになります。皆さんが社会に出る頃には、今よりももっと英語が必要とされているでしょう。
  また、日本語以外の言語を学ぶことは、日本以外の国々の情勢や歴史、文化を知ることにも役立ちます。日本の外へ目を向けることで、日本の歴史や文化にも関心を持つきっかけにもなり、皆さんの視野を広げることにもつながることでしょう。世界で最も使用されている英語を学べば、英語圏の国々のことを知り、多くの人々と交流できる機会を得ることができます。グローバル化社会で活躍するためには英語が必要ですが、言語はあくまでツールにすぎません。英語を使って何をしたいのかをイメージすることが大切です。

 

小学校低学年から必修に? 日本の英語教育の今後

 

 2011年度より、小学5、6年生は「外国語活動」の時間で英語を学ぶようになりました。文部科学省では、小学校低学年の段階から英語を必修にする検討も始めています。グローバル化社会に対応するために、より早い段階から英語の発音に慣れ、コミュニケーション力を高める必要があるという考えです。英語力を養う必要性を多くの人が唱える一方で、小学校低学年に適切に英語を教えられるのか、日本語教育を優先すべきでないかと不安視する声もあります。特に小学校の段階では、しっかりとした教育環境を整えていくことが求められています。また、中学校や高等学校におけるいわゆる“受験英語”と、大学や社会で必要とされている実践的な英語の違いについても問題になっていますが、

これは教員が授業を見直して工夫するだけでは解決しない部分もありますので、今後制度の見直しも必要になってくるかもしれません。
  次ページより、灘中学校・高等学校、四天王寺中学校・高等学校の英語教育について紹介します。担当の先生に、英語を教える際に大切にしていること、授業で工夫している点などのお話も伺いました。英語力を伸ばそうと思っている人、英語が苦手だと思っている人は、ぜひ参考にしてください。

 

 

まず耳から英語に慣れる

――灘中学校・高等学校は全国でもトップクラスの進学校であり、自主性を重んじる校風でも知られていますね。
  「現在私が受け持っているのは高校2年生です。当校は担任持ち上がり制による6年間完全一貫教育ですので、中学1年生から彼らの授業を担当しています。灘の生徒たちは、概して、理数系科目には高い関心を持って入学してくるのですが、英語への関心は比較的低い傾向にあります。ですから、特に入学してしばらくの間は、英語の歌や映画に触れる機会を週に1コマは作るようにしていました。耳から英語に慣れていくことが、最も効果的だからです」
――中学の時は、どのような映像素材を用意されたのでしょうか。
  「しっかりとした発音で制作された童話シリーズのDVDを用意しました。映画ですと、『ダイナソー』や『ホーム・アローン』などは中学生の教材として相応しいですね。また、中学生には難しいのですが、高校1年生の時に見せた『マイ・フェア・レディ』は、英語の発音がテーマの映画で、教材としては最適です」

語彙力こそがカギ

――高校では、週何コマ英語を学んでいるのですか?
  「英語の授業は週5コマです。このうちネイティブスピーカーの講師が受け持つのが1コマですから、私の担当は4コマですね。この限られた時間の中で、いかに生徒の英語力を高めるかが課題です。ただ、毎回の授業でこなす英文の量は比較的多いと思いますので、力を養うには十分です。生徒たちは、中学時代から聞き取る訓練を積み重ねていますので、だいぶ力をつけてくれていると思っています」

――授業の進度について教えてください。
  「高校教科書コミュニケーションT、Uの内容は中学3年次までに終えています。言語学習には一定以上の質も大事ですが、まずは量をこなさなければなりません。そういう意味でも教科書は早めに終え、さらに多くの教材に触れて言語経験を豊かにする必要があります。語学の要は語彙力です。中学の英語学習における使用単語数は1200語レベル、高校であれば3000語レベルですが、理想は8000語レベルですね。このくらいの語彙力があれば、大学の授業で討論をしたり、論文を読んだりする
 

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模擬国連の代表となったり、英国ウインチェスター・カレッジが企画し、加盟校が交代で主催する国際シンポジウムに毎年参加したりと、生徒たちの英語への関心はかなり高いようです。

のに、とりあえずは苦労しないでしょう。授業の中で習得できる単語数は限られますが、最低でも5500語レベルには達するように指導しています。大学での学びもそうですが、社会に出て活躍の場を広げるためにも、生徒たちにはしっかり語彙力をつけてもらいたいと思っています。英語は単にツールでしかありません。それをいかに駆使して目的を達成するかが大事なのです」

世界へ目を向けることが大事

――リスニングの授業では、どのような素材を採用されているのでしょうか?
  「幅広い分野の語彙に触れられるように素材を選びます。高校生からは難関大入試を意識して、一般教養や時事の知識も同時に問われるような内容のものを聞かせています。そういった意味でも、海外メディアのニュースは良い教材になりますね。BBCやCNNなどのニュースサイトから最新の話題を選んで、教材プリントを作っています。最近取り上げたのは、ソマリア沖の海賊対策、

シリア情勢、福島第一原発の汚染水漏れに対する海外の反応などの話題です。生徒には幅広い分野の単語を習得してもらいたいですね。授業では、まずニュースの概要を把握してもらい、キーワードとなる英単語について解説をします。次に実際にニュースを流して、音声と映像のみで情報を得ます。穴埋め問題形式にしたテキストを渡すのは、その後です。ニュースを繰り返し聞きながら、語句を埋めていきます。時事問題を知り世界の出来事に興味が持てれば、英語も自然と面白くなるのではないかと、私は思いますね」
――英語を学ぶ上で、最も大切なことは何ですか?
  「まず、とにかく英語を耳から入れることです。家庭学習で使用する教材を選ぶなら、CDが付いているものを必ず選んでほしいですね。生徒たちにも、テキストを見る前にまず聞くようにと言っています。ある程度の語彙力があれば、テキストを見なくても内容が理解できるようになりますし、リスニング能力の向上は速読力の向上にもつながるのです。四六時中英語に触れていられる環境をつくることは困難ですが、なるべく多くの英語に触れるようにしてほしいですね。意識して耳を鍛えていけば、実力はついてくると思いますよ」

 

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穴埋め問題は計6問。5問以上正解ならシールがもらえ、シールを集めると平常点に点数が加算されるというゲーム要素のある方法です。生徒のモチベーションを高めます。

 

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リスニングの授業で配られたプリント。ニュースの概要と語句をまとめたもの、そして穴埋め形式問題の2枚。1回の授業で耳にする英語の量はとても多いです。

 

難関大学合格を目指して

――四天王寺中学校・高等学校は1922(大正11)年創立の伝統ある女子校であり、進学校。医歯薬系大学への進学に強いのも特長かと思います。先生方はどのコースを担当されているのでしょうか。
大向先生(以下敬称略)「今年は二人とも高校3年生を担当しています。高校では、内部進学の生徒は『英数Tコース』と『英数Uコース』に、高校受験をして入って来た生徒は『英数コース』に分かれています。私は『英数Tコース』と『英数Uコース』を、松本先生は『英数Uコース』を担当しています」
松本先生(以下敬称略)「いずれのコースでも、難関国公立大学や難関私立大学への合格を目指しています」
――英語教育において大切にしていることは何ですか?
大向「私が受け持っているコースは中高一貫であり、高校受験がない分多くの時間が取れますので、授業の中でなるべくたくさんの英文に触れ、文法の理解を深められるようにしています。中学校では、教科書以外にも、NHKの語学番組『基礎英語』などを教材に選んでいます」
松本「ライティングの授業では、自己表現の場を大事にしています。最近では、受験問題にも自由英作文の出題が増えてきました。それに、生徒たちの中には少なからず“自分を表現したい”という願望があると思うので、それを英語で実現できる力が身につけばと考えています」

生徒の興味関心を引き出す

――授業ではどのような工夫をされていますか?
松本「自由英作文の題材選びは大切ですね。私の知り合いに日本に1年間滞在している、16歳のEmilyがいます。彼女に『日本でぜひ体験してもらいたいこと』を伝えるため、手紙を書くことを宿題にしました。実際にEmilyに渡すのですから、自分の意見を伝える相手がいるわけです。形式的な英作文とは異なり、手紙を書いているのだと実感できるので、より具体的な内容が書けるのではないでしょうか。手紙には名前を書く欄を設けていません。授業では、差出人がわからない状態でクラス全員で回し読み、よく書けていると思った手紙にはチェック欄に書き込みます。15分ほど経った後、5つ以上チェックのついている手紙を持っている生徒に、たとえそれが自分の書いたものでなくても、その場で発表してもらいます。クラスメイトの英作文を読むことで、文章に対する客観的な視線も養えると思います。独りよがりの文章になっていないかなど、受験の際に自分の答案を冷静に見返すのにも役立つと思いますよ。こうした取り組みは、去年から取り入れています。生徒たちも楽しみながら取り組んでくれていますね」

大向「当校には、女子校だからということもあるかもしれませんが、英語好きな生徒が多いと思います。医歯薬系大学の合格率も高いですし、理系科目が好きな生徒も大勢いますが、語学に対して前向きに地道に取り組む姿勢が見られます。彼女たちのそうした姿勢を引っ張り、さらに興味を引き出しながら、論理的、文法的なところをしっかりと教えていくように心がけています。現在の担当は高校3年生ですので、リーディングの授業では大学入試の過去問題を解いてもらっています。内容の理解についてはもちろん、出題者の狙いまで把握できるようになってもらいたい。そのためにも、たくさんの英文に触れてほしいですね」

 

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大向先生のリーディングの授業。東北大学の入試問題に挑戦しています。語彙や文法の理解の他、出題者の意図も読み取ります。辞書の引き方指導にも注力されているそうです。

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松本先生のライティングの授業。Emilyさんへの手紙をクラスメイトで回し読みします。文章量も多く豊富な話題の手紙を、数分で一通のペースでしっかりと読み終えていました。

 

語学を身につけるということ

――英語力を高めるために、今後の課題とされていることなどはあるのでしょうか。
大向「特に、最近ではリスニングやスピーキングを訓練し、実際に英語を使えるようにすることが求められています。今後の課題は、それをどのようにして実現していくかですね。単に英文を多読させるだけではなく、文法理解を深め、日本語との構造の違い、さらに言えば日本と諸外国との文化の違いを把握することが大切です。そうした根本的なことを無視して英語を吸収しても、真の外国語の理解にはつながりませんし、英語嫌いを増やす結果になりかねません。聞いたり話したりといったトレーニング面を大事にしながら、同時に英語の理解を深める。このバランスには気を配っています。受験のための英語も大切ですが、その先にある大学、社会で英語を活用できる人材に育ってほしいですね」
松本「英語を積極的に利用してほしいという思いがあります。語学はツールですから、それを駆使して学びを深めてほしいですね。そのために出来ることをしたいと思っています」

 

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