大学の学長先生の勉強時代のインタビューを掲載。

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わたしの勉学時代

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2014年は、日本初の女子留学生の一人として知られる津田梅子の生誕150年に当たります。梅子は1900年に津田塾大学の前身となる「女子英学塾」を設立し、日本の女子高等教育の先駆者となりました。
同大学では、この記念すべき年に、国際化社会で活躍する次世代の人材のためのサポートプログラムを企画しているそうです。今回は、2012年11月に同大学の学長に就任された國枝マリ先生にお話を伺いました!

家族旅行と父との思い出

 名古屋市東区には、後に私が進学することになる愛知県立旭丘高等学校や東海中学・高等学校、それから徳川美術館があります。名古屋城などがある市内の観光エリアからは少し離れています。これが、私が生まれ育った場所です。実家は旧城下町にあり、かつては武家屋敷が並んでいた地区に建っていました。細い路地が入り組んでいる住宅街でした。
  父は、祖父の代に綿屋を営んでいたことが縁で、繊維関係の会社を経営していました。製造していたのは寝具などです。名古屋では、質の良い綿布団が嫁入り道具の一つでしたので、そういったものも請け負っていました。会社は家から離れた場所にあったので、幼い頃に足を運ぶ機会はほとんどありませんでした。だいぶ後になって、父にそのことを「少し後悔している、仕事場を見ておけばよかった」と伝えたところ、「そう思ってくれただけでも嬉しい」と泣いて喜んでいました。親としては、自分がいきいきと働く姿を子どもに見せておきたかったのでしょうね。
 仕事で忙しい父でしたが、年に一度は家族を旅行へ連れて行ってくれました。神戸旅行で

 

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父にはよく旅行や食事に連れて行ってもらいました。

は、甲子園球場で野球を観戦したのを覚えています。電車の時刻表をめくりながら旅行の計画を立てるのが父の趣味でした。北海道や仙台など、いろんな場所に連れて行ってもらいました。とても楽しかったです。

教育に熱心だった両親

 兄と弟に挟まれて育ったこともあり、なかなかおてんばな子どもだったと思います。家では弟の面倒を見て過ごすことも多かったですね。
  両親は共に教育熱心だったと思います。特に母は、女性の私が自由に勉学をすることを歓迎してくれました。彼女は、本当は勉強をして医師になりたかったそうです。ところが親に「手に職をつけなくていい。うちには職業婦人は必要ない」と言われ断念したと聞きました。そうした経験があったので、子どもたちにはしっかりと勉強をしてほしかったのでしょう。父親は学校運営のサポートにも協力的で、PTAの会長を務めたこともありました。
  私は、幼稚園から中学校まで愛知教育大学附属(当時は愛知学芸大学附属)の学校に通いました。教育熱心な親が通わせる学校であったことから、同級生にも優秀な方がたくさんいました。私が在学していた当時は、小学校の6年間を同じ担任が持ち上がるという試みを実施していました。もちろんクラスメイトも6年間同じです。ですから、各クラスの雰囲気には担任の先生の色がはっきりと出たものになっていたと思います。また、一年を通じて大学から教育実習生がやって来て、さかんに実習が行われていました。このような環境でしたので、実験的な授業が行われることが多かったですね。

多様な価値観に触れ得るものが多かった学生寮生活

 愛知教育大学附属には高等学校がありませんでしたので、受験をして旭丘高等学校に進学しました。家から徒歩7分の距離の学校です。当時は生徒数が多く、1クラス50〜60人ほどでしたので、机を並べたら身動きが取れなかったですね(笑)。女子の人数は1割ほどで、クラスメイトの多くは男子生徒でした。
  実は、私は初め音楽大学へ進学するつもりだったのです。幼稚園から高校3年生までピアノを習っていて、中学校のクラブ活動では合唱の伴奏を担当したこともありました。
  それで、なんとなく音楽家になりたいなと思っていたのですが、高校3年生の夏休み頃でしたでしょうか、自分にはプロになるための突き抜けた才能はないと感じました。ピアノは趣味で続けたほうがいいと考えを改め、ぎりぎりの時点で進路変更を模索し始めます。先生に相談したところ、英文科か国文科への進学をすすめられたこともあり、津田塾大学学芸学部英文学科を選び入学しました。
 大学では学生寮で4年間を過ごしました。全国各地から集まって来た寮生たちとの交流は

 

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大学時代に寮生活を共にした友人とは、今でも大変親しくしています。

いろんな意味で人生勉強になりました。4人部屋で常に誰かと一緒に過ごしている中で、人と意見の合わないことも多々ありました。ですが、この経験を通じて様々な人の価値観に触れたことで、「違いを認める」ことができるようになったと思います。とても得るものが多かった寮生活でした。

10年後の自分を想像しアメリカの大学院に入学

 大学卒業後は、海外技術者研修協会というところに就職をしました。海外から日本へ来られた技術者に対して、日本語や日本の社会、文化、そして専門分野についての研修を実施する機関です。企業に入る前の6週間という短い研修期間だけで日本語を習得するのは不可能ですが、半年ほど企業に勤めた後で再会した方が、驚くほど話せるようになっていることも珍しくありませんでしたね。就業先で置かれた状況によって上達具合は変わると思いますが、彼らのエネルギーと努力には感心させられました。
  ところが、仕事をしている中で様々な専門家の先生のお話を伺う機会があり、私自身も将来について考えるようになりました。
  当時は、女性が職場で活躍することが難しい時代でした。10年も前に入社した優秀な女性の先輩が、新人の私と同じ仕事をさせられていたという有様です。そこで、私は自分の働き方を見つめ直し、10年後にどうなっていたいかを考えました。そして、そのためには自分の言葉で表現できる、自分の専門分野が必要だと思ったのです。
  初めは日本の大学院で学び直そうと思っていたのですが、ちょうどニューヨークを訪れる機会があり、その際にコロンビア大学大学院の存在を知り、入学しました。大学院では論文に求められる質が高いために苦労しました。学位が取れない大学院生も多かったですね。修士(マスター)はまだ比較的取りやすかったですが、博士(ドクター)は難関でした。私は恩師のご助力もあって何とか取得することができました。大変感謝しています。

小中高校生の皆さんはたくさんの可能性を秘めている

 小中高校生の皆さんに知っておいていただきたいことは、皆さんはたくさんの可能性を秘めているということです。大変羨ましく思います。そんな皆さんですから、今のうちに少しだけ先の自分を想像してみる機会を持ってほしいですね。
  近頃はまわりをとり巻く情報に気をとられ、つい目先の物事だけで判断をして、選択をしてしまいがちです。とてももったいないことだと思います。自分が生涯をかけて熱中できることを見つけるためにも、様々なことへ関心を向けてほしいですね。やりたいことがはっきりとしていれば、どのような環境でも前向きに学び続けられると思うのです。自分らしい目標が、見つかることを祈っています。

親子で協力して学習を習慣にしましょう

 これは保護者の皆様にも協力をお願いしたいのですが、ぜひお子様の学習を習慣にしてほしいと思います。できれば小学生の早い段階から、学習時間を持つ癖をつけてあげてください。保護者の皆様には、最初の方向付けをサポートしていただきたいと思います。そのサポートですが、「勉強しなさい」と口うるさく言うだけでは、かえって勉強嫌いになってしまうかもしれません。「いつもあなたのことを気にかけているよ」という姿勢を、お子様にわかるように示してあげると良いと思います。その日あった授業について尋ねたり、宿題の内容を見せてもらったりして、理解しているところについてはよく褒め、つまずいている時は相談に乗ってあげてください。
  こうした積み重ねを経て、やがて学習は習慣となります。親子で一緒に勉強をする時間を持つのもおすすめです。お子さんが宿題をしているそばで本を読んだり、資格の勉強をしたりという姿を見せるだけでも違うと思います。私も子どもの頃はリビングで勉強していました。誰かが見てくれているという安心感、そして緊張感があり、不思議と勉強に集中することができました。親子で一緒にリビング学習、ぜひ試してみてください。

津田梅子生誕150周年記念事業を実施

 日本初の女子留学生の一人となった津田梅子は、日本の女性に高等教育を提供したいという強い願いから、1900年に「女子英学塾(津田塾大学の前身)」を設立しました。2014年は梅子の生誕150年に当たります。津田塾大学では、梅子のアメリカ留学時代に焦点をあてた企画展示を皮切りに、在校生のための国際化支援プロジェクト、中学・高校生のための理系体験学習など様々な記念事業を行い、梅子の襷を受け継ぐ、次の世代の新たな挑戦のサポートに力を入れていくそうですよ。ホームページなどをぜひチェックしてみましょう!!



津田梅子(1864〜1929年)

 

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