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日本神話って何?

 神話とは、世界や人間がどのようにして今の姿になったのかを、神様や英雄の物語を通して伝えるものです。その起源や内容は国や地域によって異なります。ギリシア神話や北欧神話、インド神話などはよく知られていますね。
  日本における神話も、他の多くの国や地域の神話と同様、有史時代(当時の文献が残っている時代)以前から語り継がれてきました。各地には語部という職業の人々がいて、神話や民話などを記憶していました。日本史に名を残している語部で有名な人物は、日本最古の歴史『古事記』(712年)に登場する稗田阿礼です。『古事記』は、奈良時代の役人だった太安万侶が、稗田阿礼から聞き取った物語をまとめたものだと伝わっています。この他に、日本神話を伝える主な文献資料としては、『古事記』の8年後(720年)に完成した歴史書『日本書紀』、各地の歴史や文化風土などをまとめた風土記があります。また、『古事記』『日本書紀』に記録されているものを記紀神話、風土記の中でも特に出雲地方(島根県東部)の『出雲国風土記』に登場するものを出雲神話と呼んでいます。

 

日本神話のヒーローとヒロイン

 日本神話の中の神々や英雄たちは、個性的で感情豊か、現在でも広く親しまれています。そんな日本神話に登場する主なキャラクターたちを紹介しましょう。

 

 世界が初めて生まれた時(天地開闢)に誕生した男神と女神で、日本列島をつくり、たくさんの神様を生みました。ところが、イザナミは火の神を産んだ時に火傷を負ってしまい亡くなってしまいます。イザナミを呼び戻そうとイザナギが向かったのが黄泉の国(根の国)です。

 

 太陽の神様であり、女神であると伝えられています。『古事記』においては、黄泉の国から戻ったイザナギが穢れを洗い落とした時に左目から現れたとされ、高天原(天の神々が住むところ)の統治を任されました。

 

 アマテラスの弟として登場します。神話「岩戸隠れ」では、乱暴な神様として描かれていますが、「八岐大蛇伝説」では勇敢な英雄としての一面も見られます。

 

 スサノオの息子または子孫として登場する男神。出雲大社の祭神であり、国造りの神、農業神、商業神、また「因幡の白兎」の神話から医療の神様としても信仰されています。

 

 アマテラスの孫にあたる男神。神話「国譲り」で大国主が神々に譲った葦原中国(高天原と黄泉の国の間にある世界。日本の国土のこと)を治めるように言われ、高天原から降り立ちました。この神話を「天孫降臨」と呼びます。

 

 ニニギの息子たち。山幸彦は、兄の海幸彦から借りた釣り針をなくしてしまったので、海底に住むワタツミ(海神)のもとへ行き、それを取り戻しました。海神の娘と結婚した山幸彦は、昔話「浦島太郎」との共通点も指摘されています。

 

 第12代景行天皇の皇子。神様ではありませんが、記紀を代表する英雄ですね。タケルが腰に帯びていた草薙の剣は、スサノオが八岐大蛇を退治した時に、大蛇の尾から出てきたものです。スサノオからアマテラスへ献上され、「天孫降臨」の際にニニギに手渡されました。
  今回は、アマテラスとスサノオが登場する「岩戸隠れ」、スサノオが活躍する「八岐大蛇伝説」、心優しい神様・大国主の「因幡の白兎」という日本神話の中でも特に知られている3つのストーリーについて、後ほど詳しく紹介します。

 

『古事記』と『日本書紀』

 ひとまとめに記紀神話と呼ばれる神話があります。ですが、『古事記』と『日本書紀』ではその内容が異なる部分もあるのです。「朝廷は、たった8年の間になぜ同じような歴史書を2つ作ったのか?」という歴史ミステリーに興味を抱き、一方にしか記されていない物語や、同じ神話でもストーリー展開が違うものを比較する研究者もたくさんいます。
  ここでは、簡単に『古事記』と『日本書紀』の主な違いを紹介します。また、記紀神話については、小中学生向けの本もたくさん出ていますので、興味があればぜひ読んでみてください!

 

『古事記』と『日本書紀』の基本データと主な相違点

書名 古事記 日本書紀
成立 712(和銅5)年 720(養老4)年
巻数 3巻 30巻+系図1巻
執筆者 太安万侶 舎人親王の他数人
内容の
主な相違点

○1/3が神代の話。
○天上の国を「高天原」と呼ぶ。
○イザナミは死に黄泉の国へ行く。
○ヤマトタケルは兄の大碓命を殺してしまう。
……他

○神代の話は少ない。
○天上の国を「高天原」とは呼ばない。
○黄泉の国が存在しない。
○ヤマトタケルは兄の大碓命を殺さない。
……他

 

高天原ってどこにあるの?

 日本神話は、大きく分けて3つの世界を舞台にして描かれています。神々が住む天上の世界「高天原」、人の住まう世界「葦原中国」、死者が赴く「黄泉の国(根の国)」です。高天原については、神話の中の世界だという考えが主流のようですが、日本各地には高天原の地名や伝承がいくつも残っています。特に、アマテラスの「岩戸隠れ」に登場する高天原の天岩戸(または天岩屋、天岩屋戸)と呼ばれる場所は、宮崎県の高千穂町をはじめ各地で見ることができます。こうしたことから、高天原での出来事も、史実から創られたのではないかと考える研究者もいます。

 

記紀神話を楽しく学べる本
『まんがとあらすじでわかる
古事記と日本書紀』 (宝島社)
監修:坂本勝

 イラストや四コマ漫画で楽しく『古事記』や『日本書紀』のあらすじを紹介。関連する神社や旧跡などについても載っているので、ガイドブックとしても便利な一冊です。

 
 
 

 ある時、高天原に住む太陽の女神アマテラスは、弟のスサノオが自分のもとを訪ねて来ると聞きました。ところが、スサノオが近づいて来るにつれ、山や川、地面までが大きく揺れます。「きっと、弟は、私が治めるこの高天原を奪いに来たのね」と、アマテラスは考えました。そこで男の人のような髪に結い直し、武器を構えてスサノオを出迎えました。スサノオはこれに驚いて、「私は、姉上から高天原を奪うために来たのではありません。私たちの母であるイザナミに会いたくなったので、黄泉の国へ行こうと思い立ちました。それで、旅立つ前に姉上に挨拶をしようと寄っただけです」と言いました。

そして、その心に偽りがないことを証明するために、スサノオはアマテラスに自分の剣を渡しました。アマテラスがその剣を使ったところ、三人の女の神様が生まれました。
「私の剣から、このようにかわいらしい女の神様が三人も生まれました。これは、私の心に偽りのない証です」とスサノオは言い、
アマテラスも納得しました。
  さて、アマテラスの疑惑を解いたスサノオでしたが、黄泉の国へは行かずに高天原で乱暴なことばかりしています。これに怯えたアマテラスは、天岩戸に閉じ籠ってしまいました。太陽の神様が隠れてしまわれたので、世の中は真っ暗になり、悪いことばかりが次々と起こりました。
  困った神様たちが集まって相談しました。
「アマテラスを外に出さなくてはなりません。彼女に夜が明けたと勘違いさせるために、ニワトリをたくさん集めましょう。それから、芸能の女神アメノウズメは踊りを披露して、力の男神アメノタヂカラオは天岩戸の側に隠れているのです」
  いよいよ作戦開始です。天岩戸の前でニワトリたちが鳴き、それに合わせてアメノウズメが踊ります。その様子がとても愉快で、神様たちは大笑い。
「私が隠れてしまったから、世の中は真っ暗になって皆気持ちが沈んでいるはずなのに、どうして賑やかなのかしら?」
  不思議に思ったアマテラスが、天岩戸を少しだけ開けた時。
「それっ、今だ!」
  隠れていたアメノタヂカラオが天岩戸を引き、アマテラスの手を取って外へ引っ張り出したのです。世の中に再び光が満ち、乱暴を働いたスサノオは高天原を追い出されてしまいました。



 
 
 

高天原を追い出されたスサノオは葦原中国に降り立ち、出雲国にある肥の河(島根県にある斐伊川)を上っていきました。その上流には立派なお屋敷が建っていました。中をのぞくと、おじいさんとおばあさんが美しい娘を囲んで泣いています。スサノオが事情を尋ねると、「毎年この時期になると八岐大蛇が現れ、私たちの娘を一人ずつ食べてしまうのです。今年は最後の一人、ここにいる櫛名田比賣の番です」と言うではありませんか。聞けば、8人いたおじいさんとおばあさんの娘たちのうち、7人までもが食べられてしまったらしいのです。八岐大蛇は一つの胴体に八つの頭と尾がある化け物で、八つの谷と八つの峰をまたぐほどの大きさ。その上、目は鬼灯

のように真っ赤で、体には苔やヒノキや杉が生えていて、腹はいつも血に染まってただれている恐ろしい姿をしているといいます。
  そこで、スサノオは、「私が八岐大蛇を退治しましょう。その代わり、櫛名田比賣と結婚させてください」と言いました。おじいさんは、スサノオが太陽の神様アマテラスの弟だと知り、よろこんでその申し出を受けました。
  スサノオは、八岐大蛇を迎える準備を始めることにしました。そこで、おじいさんとおばあさんに、
「強い酒の入った酒船(酒を入れておくための大きな木の器)を八つ用意して、それぞれ一つずつを垣根で囲い、垣根には門をつくってください」
とお願いをしました。
  いよいよ八岐大蛇がやって来ました。スサノオは櫛名田比賣を櫛の姿に変えて髪に隠し、八岐大蛇が酒を飲んで酔いつぶれて寝てしまったところを、剣で八つの頭と尾を落として退治しました。

この時、八岐大蛇の尾から現れた剣を、草薙の剣といいます。スサノオは約束通り櫛名田比賣と結婚しました。

 

八岐大蛇の正体とは?

 スサノオに退治された八岐大蛇は、日本神話に欠かせないキャラクターです。大変大きくて恐ろしい姿をしていますが、なぜ大蛇は娘たちを食べたのでしょうか。
  一説によると、八岐大蛇は「洪水の化身」と考えられているそうです。そして、毎年のように現れて暴れては(=川が氾濫しては)娘(=稲田←櫛名田比賣)をさらって行ってしまったということを表しているのではと言われています。島根県と鳥取県の境に流れる八つの川とその支流を、八岐大蛇の八つの頭に見立てていると考える研究者もいます。
  また、八岐大蛇の尾から草薙の剣を取り出すシーンは、当時製鉄業が盛んだった出雲地域のことを表しているのではないか、とも言われています。

 
 
 

 スサノオの息子である大国主には、たくさんの兄弟たちがいました。彼らは稲羽(因幡。一説には現在の鳥取県)にいる八神上売に結婚を申し込むために、大国主に国を譲ってしまいました。そして、大国主は求婚に出かける兄弟たちの御供として荷物持ちをさせられ、一番最後を歩いていました。
  大国主が気多の前というところに出ると、兎が一羽、伏せっています。しかも、体中の毛をむしられて真っ赤です。大国主が「どうしてそのような姿になったのだ?」と尋ねたところ、「私は、もともと淤岐嶋(一説には隠岐の島)にいた兎ですが、海を渡って稲羽へやって

来ようと考えました。ですが、海を渡る方法がありません。そこで、ワニザメたちに『私の一族とあなたの一族、どちらの数が多いのかはっきりさせてみませんか。私が、背中に飛び移りながら、あなたがたを数えます。さあさあ、一列に並んでください』と言ったのです。私は、ワニザメたちを数えるふりをしながら、まんまと海を渡りきろうとしていました。ところが、最後の一匹というところで、うっかり口をすべらせて本当のことを言ってしまったのです。騙されたと知ったワニザメは怒り、私の毛をすっかり剥いてしまいました」と言って泣きます。そして、先にここを通りかかった大国主の兄弟たちが、いたずら心で兎に「海水で体を洗い、風に当たっていれば治るよ」という嘘を教えたため、その通りにしたところ、よけいに痛みがひどくなったことを聞きました。
  そこで、大国主は、「すぐに真水で体を洗い、蒲の穂を敷き詰め、その上で寝転がって花粉をつけなさい。そうすれば、きっと元通りになるよ」と教えまし

た。大国主の言う通りにしたところ、兎の体は癒えてすっかり回復しました。兎は、「あなたはとても親切です。いじわるなあなたの兄弟たちは、きっと八神上売に相手にされないでしょう。結婚をするのはあなたです」と予言しました。その予言は現実になり、八神上売は大国主を夫に選びました。

 

恋する「ワニザメ」

 ワニザメは日本神話ではおなじみのキャラクターです。記録には「和邇」と書かれているだけで、どのような姿をしていたのかはわかっていません。サメ説、ワニ説、ウミヘビ説などがありますが、絵本などではワニザメ(=凶暴な性格のサメのことを表す呼び名)として描かれることが多い印象です。鳥取県を含む山陰地方には、サメのことをワニと呼ぶ方言もあり、古代においては、サメのことをワニと言っていたのではないかと考えられています。
  また、出雲神話には、美しい玉日女命に恋をした「和邇」が、その姿を一目見たいと川をのぼって会いに行ったが、岩でふさがれてしまい叶わなかったという話もあります。サメは淡水でも生きることができ、オオメジロザメなどは実際に川をのぼることが確認されています。

スサノオの子孫としているものもあります。

 

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