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俳句の3つのルールを覚えておこう

 

俳句の基本ルール

 まずは、俳句についての基本的なルールを紹介します。

 

★5・7・5の17音

 例にあげたのは、有名な松尾芭蕉の俳句です。芭蕉の紀行文(旅の道中での体験を記した作品)『おくのほそ道』の中でも秀逸な作品だと言われています。「ああ、何と静かなことだ。蝉の声が岩にしみ込んでいるよ」というような解釈になります。蝉が鳴いていてうるさいはずなのに「静か」なのはなぜ

 

かということについては、後ほど説明します。
  俳句は、主に江戸時代に栄えた俳諧を起源としています。やがて、俳諧連歌の発句(発端となる部分の句)にあたる5(上五)・7(中七)・5(下五)の17音が単独で鑑賞されるようになりました。発句を独自の文学としてとらえたのは、松尾芭蕉です。芭蕉が発表した作品の数々が、発句の芸術性を高め、後に俳句という文学を発展させました。芭蕉のように俳句を詠む文人を俳人と呼びます。
  俳句には約束事があります。先ほど述べたように、5・7・5の17音で表すことが第一のルールです。ただし、必ず17音でなければならないということではなく、音が収まっていないものを字余り、逆に少ないものを字足らずと呼んでいます。

 これも芭蕉の句です。紀行文『野ざらし紀行』の中に収められています。「旅の途中の寂しい仮寝の夜だ。時雨の音にまぎれて犬の寂しそうな鳴き声が聞こえてくるが、私には犬の心細さがよくわかる」というような意味です。この句の場合、「犬も時雨るか」の部分が7音ではなく8音の1字余りとなっています。

 

 

★季語を入れる

 季語も俳句のルールの一つです。季語とは、特定の季節を表す言葉です。@の句ならば「蝉(夏)」が、Aの句ならば「時雨(冬)」が季語にあたります。季語の例については後ほどご紹介します。

★切れ・切れ字

 そして、最後のルールは切れ(句切れ)です。少々難しいですが、ぜひ意識してみましょう。
  切れとは、俳句の中で流れが一度切れる部分のことです。例えば@の句だと「閑さや」、Aの句であれば「草枕」などがそれにあたります。自然な流れで切れている句は「切れがある」と評価されるのです。切れのある句は、余韻があり、読者の想像力をかき立て作品世界に引き込む力があります。
  また、俳句に切れを出すために切れ字を用います。昔はたくさんの切れ字が使われていましたが(ず、ぬ、らむ、なり等)、現在使われている切れ字はや(詠嘆・呼びかけ)、かな(感動・詠嘆)、けり(断言)です。他にも、名詞で終わっている部分、終止形で終わっている部分なども切れです。上五と中七で切れない場合は、下七に切れ字もしくは名詞(体言止め)を持ってくると整った響きになります。
 こちらは与謝蕪村の句です。「春の海というものは、一日中穏やかにゆったりとうねっていて、のどかなものだなあ」というような意味。「春の海」で一呼吸置くことができ、切れ字「かな」でもう一度切れています。海面が緩やかにうねる様を表す「のたりのたり」という言葉が心地よいリズムを生む作品です。
  最近は、季語も切れ字もなく、口語体(話し言葉)で詠む自由なスタイルの作品もあるようです。

 

 

蝉の声が「静か」?

 紹介した芭蕉の句「閑さや 岩にしみ入る 蝉の声」の「閑さや」について。なぜ芭蕉は蝉の鳴き声が響いている風景を「静かだなあ」と表現したのでしょうか?
  この俳句は、立石寺という山奥の寺で詠んだとされています。険しい岩山の上にあった寺だそうで、人里から遠く離れた、仙人が暮らしていそうな別世界の景色が広がっていたのでしょうか。
  そんな現実世界から離れた場所で「静か」になったのは、芭蕉の心の中だったのでしょう。芭蕉は、自分の心が騒がしい世俗から離れ、自然と一体になっていく様子を表現したのです。ふだんならうるさく感じる蝉の声も、自然の一部として「岩にしみ入る」としたのでしょう。
  俳句の味わい方は人それぞれです。17音の短い作品から想像力で世界を広げてみたり、作者について調べて考察を深めてみたり、思い思いに鑑賞して楽しみましょう。

 

俳句を詠んでみよう

 まずは、俳句のルールに従い、5・7・5のリズムを意識して詠んでみましょう。季語は季語辞典を引いたり、インターネットで調べたりして探してみましょう。

★季語の例

春:桜、梅、ウグイス、雪解け、種まき、八十八夜、卒業、など。
夏:梅雨、花火、日焼け、朝顔、海水浴、アイスコーヒー、など。
秋:紅葉、月見、鈴虫、コスモス、運動会、いわし雲、など。
冬:北風、枯木、雪遊び、ストーブ、スキー、クリスマス、など。
  もちろん「春の風」や「夏祭り」、「秋の雨」、「冬の海」などのように、春夏秋冬を直接入れても構いません。秋の寒さを表現したい時に「冬近し」と詠むのもいいですね。また、季語辞典やインターネットで調べるだけでなく、家の中や外の景色を観察して季語を見つけてみましょう。俳句に慣れてきたら、今度は「切れ」を意識してみましょう。

 

 

文学史に残る俳句の達人たち

 江戸時代前期の俳諧師。三重県伊賀市出身。発句の芸術性を高めたことから、後に「俳聖」と呼ばれています。
  弟子の河合曾良と一緒に江戸から東北、北陸から岐阜の大垣までを旅した時の『おくのほそ道』の他、『野ざらし紀行』、『猿蓑』などに作品が収められています。

★風景:山道を歩いていると冷たい初時雨が。蓑を着ていた芭蕉は、木の上の猿たち
  が寒くて蓑を欲しがっているように見えたようです。
★季語=初しぐれ(初冬)

 

松尾芭蕉
(1644〜1694年)

 摂津国(大阪府)出身の江戸時代中期の俳人であり、優れた絵師でもあった人です。各地を転々とした後、42歳の時に京都に住み、68歳で生涯を閉じました。
  写実的で、絵として情景が浮かぶ作品をたくさん生み出しました。また、蕪村の絵の多くは、国宝や重要文化財に指定されています。

★風景:夕方、一面の菜の花畑を眺めています。東の空を見ると月が浮かんでいて、
  振り返って見ると日が西に沈んでいこうとしています。
★季語=菜の花(晩春)

 

与謝蕪村
(1716〜1784年)

 明治時代の歌人、俳人、国語学研究者です。愛媛県松山市出身。夏目漱石、博物学者の南方熊楠は、東大予備門(現在の東京大学教養学部)時代の同窓生でした。
  数々の作品を残した他、俳句雑誌『ホトトギス』を創刊、俳句の分類や研究をしたことでも知られています。病に倒れ34歳という若さで亡くなりました。

★風景:作者が柿を食べていると、鐘の音が聞こえてきました。
  法隆寺から聞こえてくる鐘の音のようです。
★季語=柿(秋)

 

正岡子規
(1867〜1902年)

 明治から昭和を生きた俳人。山口県出身。早稲田大学を退学後実家に戻り、「山頭火」の号で活動を始めます。
  熊本市内の寺で過ごした後、修行僧姿で西日本を中心に旅をしながら俳句を詠みました。自由律俳句(俳句のルールに縛られない俳句)の代表的な作者です。

★風景:「青い山」は夏の季語ともとれますが、自由律俳句を詠んだ山頭火の場合、
  解決できない、迷いの中にある心の象徴としてとらえるといいでしょう。
★季語=無季

 

種田山頭火
(1882〜1940年)

 

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