大学の学長先生の勉強時代のインタビューを掲載。

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大学の学長、塾先生の勉学時代

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わたしの勉学時代

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1949年に設置され、現在は医学部、工学部、農学部、地域学部の4学部を置く鳥取大学。世界的な視野を持った人材を養成するため、教育だけでなくグローバルな研究にも力を注いでいます。今回は、ご自身も同大学の卒業生である豐島良太先生にお話を伺いました。先生の勉学時代にはお母様との思い出がたくさん詰まっています。当時はつらかったことも、大人になった今は大変感謝されているそうですよ。

「水の都」松江育ち のんびりとした子どもだった

 私が生まれ育った松江市は、歴史があり、江戸時代には松平家が治める地として栄えてきました。しじみ漁で有名な宍道湖があり、城下の堀川に水が巡らされ「水の都」とも呼ばれています。出雲地方を代表する観光地の一つでもあります。
  子どもの頃の私は、のんびりとした性格で、口数が少なかったと周りは言います。10歳上の姉と4歳下の弟がいて、歳の近かった弟とは特に仲が良かったのですが、一緒に遊ぶことはあまりありませんでした。そもそも、私はあまり遊ばない子どもでした。学校が終わればほとんど真っ直ぐ家に帰って夕涼みをしたり、休みの日は昼寝を楽しんだりしたものです。夏休みは、ラジオ体操から戻った後に宿題をするのですが、すぐに飽きて、あとはぼんやりと過ごしていました。お茶を飲んで、おまんじゅうを食べて、午後はテレビを見て早寝をするというサイクルでしたので、夜更かしをしない分、夏休みの過ごし方としては健全だったかもしれませんね(笑)。

 

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以前は、子どもたちが宍道湖で泳いで遊ぶ風景を見ることができました。

母と手作りの練習問題

 何事に対してもあまり積極的になれなかった私に、母は様々な習い事をさせました。ピアノ、そろばん、習字……というように、次から次へと学ぶ機会を与えてくれました。子どもは周りの環境に影響される「孟母三遷」という教えがありますが、それを実践したのが母だったと思います。当時の親としては珍しかったのではないでしょうか。つらいと思うこともありましたけれど(笑)、大人になって振り返ってみると大変有り難いことだったと感じています。
  母との思い出で印象に残っているものの一つに、手作りの練習問題があります。小学校低学年の頃、母は毎日必ず算数と国語の問題を20問ほど用意していました。おそらく教科書を参考にしていたと思うのですが、広告紙の裏に手書きで作ってありました。それを私は朝起きて解きました。夜は7時、遅くとも8時には寝ていましたので朝早くに目が覚めてしまいます。朝の5時に起きると、枕元に母の練習問題が用意されているわけです。まだ寝ている家族を起こさないよう布団に入ったまま解きました。時間があまれば、雑誌を読んだり、宿題をしたりして過ごしました。朝学習する癖がついたのは母のおかげです。テストの結果が良くて母に褒められると嬉しかったですね。
  島根大学教育学部附属中学校を受験することになったのですが、これも母にすすめられたからです。小学4年生頃から週に2、3回ほど家庭教師に勉強を見てもらっていました。また、小学6年生の時には、受験を希望する児童のために、担任の秋利先生が何度か補習をしてくださったのを覚えています。4〜5人の同級生と一緒に、先生の家で勉強をしました。私は、母の教育にずいぶんと励まされ助けられましたが、同時に学校の先生方との出会いにも恵まれたと思います。しっかり褒めてくれて、熱心に指導してくださる恩師のおかげで成長できたこともたくさんありました。

   孟母三遷…紀元前の中国で活躍した儒学者・孟子の母が、我が子のために、墓地から市場、学校へと三度家を移したという故事から生まれた教え。

英語と数学の私塾に通い続け医学部進学を目指す

 わりと早い時期から、将来は医学の道へ進もうと考えていました。考えていたというより、自然と思っていたと表現したほうが適切ですね。それといいますのも、常々母から「医者になりなさい」と言われていたからです。家族に体の弱い者がいたので、一人は医者がいたほうがいいと思っていたのでしょう。私もそれを当然のように受け入れていたので、島根県立松江南高等学校に進学後、医学部を志望すること、実家から近い鳥取大学を受験することに迷いはありませんでした。母が数学と英語の私塾を見つけて来てくれ、高校の3年間、週に2回通い続けました。当時は塾に通うこと自体が珍しかったと思います。母は、常に私のために学習環境を整えてくれました。数学も英語も塾の先生は大変厳しかったです。学校と比べて学習進度が速く、レベルも高かったと記憶しています。ついて行くのに必死でしたが、おかげでずいぶん鍛えられました。
  周りの助けがあり鳥取大学に無事合格できましたが、入学後はもっと大変でした。高校を出たばかりの人生経験の少ない者が、突然一人暮らしを始めたのですから。自炊もした

 

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中学校時代、黒澤明監督の映画を観て衝撃を受けたのを覚えています。

ことがなければ、洗濯の仕方もわからないので、他の学生から評判のいい料理店の情報を得たり、洗濯物を溜めておいて週末に実家に戻り母に洗ってもらったりしていました。本当に助けられてばかりでした。一人暮らしを考えている方がいれば、それなりの準備と覚悟をしておいたほうがいいかもしれませんね(笑)。

臨床と研究の現場にいて

 私が専門とする整形外科は、患者さんを積極的に治療する診療科です。大学院時代は主に石灰化について研究をしていました。骨が成長するためには、まず骨の先に軟骨ができ、そこにカルシウムが沈着して石灰化する必要があります。大変難しい研究でした。
  大学院を出た後は一度大学の医学部附属病院に戻り、それからアメリカに渡りハーバード医学校で研究をしました。アメリカの研究者は、私のような日本の研究者とは違い臨床の現場には出ません。研究者はあくまで研究者でした。長期間の専門課程を経た上で、研究所では大変激しい競争の中に身を置いている人たちばかりです。逆に、臨床の現場に出ているドクターは、手術や治療のスペシャリストです。役割分担が徹底されていたのが印象的でした。留学や海外での研究を考えている人は、教育や研究の環境の違いに注目してみるといいかもしれません。医学についてはアメリカ式の教育を取り入れるべきという意見もあります。私は、必ず海外に出なければならないとは思いませんが、自分に合った学びの環境について考えてみる機会はあったほうがいいでしょう。一つ言えるのは、留学は決して敷居の高いものではないということです。最低限のコミュニケーションができる人であれば、誰でも留学は可能です。尻ごみをする必要はまったくないと思います。
  優れた医者として成長するためには、臨床の現場での最初の10年をどう過ごすかが重要だと思います。そして、医者に必要なものは、家族や友人など自分以外の人を大切にする心、患者さんを治してあげたいと思う心です。それさえ持っていれば医者にふさわしいと言えます。他にあげるとすれば欲深くないことでしょうか(笑)。名誉などは、努力の結果、後からついてくるものです。のびのびと学んで、夢を実現してほしいですね。

焦らず、コツコツと毎日積み重ねることが大切

 丈夫な骨を維持するために必要なことは、規則正しい生活をすることです。規則的な適度の運動と、よく食べ、よく寝ることが一番です。栄養バランスの取れた食事を摂るようにしましょう。過度なダイエットをしたり、サプリメントだけで栄養を取ったりしていると、必ず骨に影響が出ます。皆さんも気をつけてくださいね。サプリメント自体は悪いということはなく、日本人はカルシウムの摂取量が少ないので、足りない分を補うために飲む程度であればいいと思います。ただし、できる限り、日々の食事において小魚や乳製品から摂取するようにしましょう。毎日の積み重ねこそ大切です。
  毎日の積み重ねの大切さは、勉学でも同じです。コツコツと続けてきたことこそが力になります。家の方や先生から言われたことを素直に受け入れ、まずは続けてみましょう。近年、社会には様々な情報が溢れ、それに流されてしまいがちですが、まずはシンプルに考え、何より実直であることを心がけてください。結果や成果はすぐには出ないものです。学力はいきなりアップするものではありませんし、大きな夢は今日明日で叶うことはまずありません。焦らず、コツコツと、少しずつでもいいので繰り返しましょう。小学校時代、毎朝早くに起きて母の手作りの問題を解いていた時間は、私にとって大切な学力アップの場でした。あの時間があったからこそ、母や恩師の教育があったからこそ、今の私があるのです。皆さんにもきっと同じことが言えると思いますよ。

鳥大から世界へ乾燥地研究センター

 砂漠や草原などの乾燥地と私たちは無関係ではありません。乾燥地における様々な問題は、日本の環境問題、エネルギー・食糧問題、人材・文化交流にも影響するのです。鳥取大学の乾燥地研究センターでは世界各地の乾燥地の調査・研究を行っています。日本にも飛んでくる黄砂を調査するため、モンゴルや中国の乾燥地での本格的な観測・調査(黄砂プロジェクト)を総合的に行うのは同大学のみです。また、「アリドドーム」実験施設では乾燥地の環境を再現し、土壌の解析、乾熱風を用いたシミュレーション実験などを行っています。乾燥地が抱える問題は深刻で、解決には日本だけでなく世界各国との連携が必要です。センターでは、学部生や院生などを対象に、地域そして世界で活躍できる人材を育てる活動にも力を入れています。

 

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ドーム状のガラス温室「アリドドーム」では、乾燥地の環境を再現してシミュレーション実験を行っています。

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