大学の学長先生の勉強時代のインタビューを掲載。

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大学の学長、塾先生の勉学時代

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わたしの勉学時代

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2014年に開学40周年を迎えた国立大学法人滋賀医科大学。最先端の研究だけでなく、患者に寄り添う「全人的医療」を行える人材、地域社会に貢献できる人材の教育にも力を入れています。今回は、2014年4月より同大学の学長に就任された塩田浩平先生にお話を伺いました。恩師との出会いによって勉強が好きになったというエピソードを読めば、楽しく実のある勉学時代を過ごすヒントになるはず!

芭蕉と忍者の町に生まれて

 私は伊賀上野、すなわち三重県伊賀市の中心部(旧上野市)で生まれ、高校時代までを過ごしました。別名「白鳳城」とも呼ばれる伊賀上野城と、古い商家が建ち並ぶ城下町の風景は、昔も今も変わらず趣があります。私たちの小学校と高校がお城の近くにあったこともあり周辺を遊び場にしていました。伊賀市は「俳聖」松尾芭蕉の出身地であり、伊賀忍者の里としても有名です。小学校では、芭蕉が没した「芭蕉忌」10月12日に合わせ全校児童が俳句を詠みました。
  伊賀には組紐などの伝統産業がたくさんあります。実家は和傘の製造卸をしていましたが、事情があり店をたたんでしまいました。それがきっかけで父は体を壊し、私が小学4年生の時に亡くなりました。ですから、父と過ごした思い出は小さい子どもの時しかありません。その後は、母と二人の姉たちが家計を支えてくれました。祖父母が一緒に住んでいたこともあり、寂しいと思ったことはほとんどありません。生活は楽ではなかったのですが、家族に守られ、穏やかな子ども時代を過ごすことができたと思います。

 

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小学校で詠んだ俳句は大会に出品されました。私も一度だけ入選したことがあります。

英語の発音をしっかりと学ぶ 勉強に楽しみを見つけた

 私は、引っ込み思案でおとなしい子どもでした。外で遊んだりもしましたが、どちらかというと部屋で過ごすほうが好きでしたね。読書が大好きで、市の図書館に通い様々な分野の本を読み漁りました。とりわけ小説に夢中で、*1吉川英治や*2松本清張などを好んでいました。今思えば、ずいぶんと大人びていたものです(笑)。
  国語も好きでしたが、それ以上に英語が好きになりました。中学1年生の時、担当の東山日出照先生に英語の発音をしっかりと教えていただいたおかげです。最初の半年、授業ではひたすら発音の練習をしました。先生は貿易関係の仕事を経験されていたので、実用的な英語の大切さをご存知で、生徒たちにもそれを身につけさせたいとお考えだったのでしょう。この発音に徹する授業が私には大変合っていましたし、楽しかったです。先生のおかげで英語が大好きになり、ラジオの英会話番組を欠かさず聞くようになりました。初めて海外に出た時、ためらわずに英語を話すことができ、会話に困らなかったのも、英語の音に慣れていたからだと思います。
  このように、勉強の中に楽しみを見つけたので、学ぶことはあまり苦ではありませんでした。

  *1 吉川英治…1892〜1962年。小説家。『宮本武蔵』や『三国志』などを執筆して幅広い年齢層の読者に愛され、「国民文学作家」と呼ばれる。
  *2 松本清張…1909〜1992年。小説家。代表作『点と線』『ゼロの焦点』『砂の器』を書き、歴史・時代小説、ノンフィクションのジャンルでも執筆。

医学を志したきっかけ

 三重県立上野高等学校は「自彊不息(自ら努めて怠らない)」を校訓に掲げています。教員は皆、情熱的で生徒思い。授業の範囲は教科書に留まらず、大学の講義と言ってもいいくらいレベルの高いものだったと思います。生徒も積極的に先生の情熱にこたえて勉強しました。得意科目を徹底的に予習して、授業で先生に討論を挑むクラスメイトもいたんですよ。
  中でも印象に残っているのは、1年生と3年生の時に国語の担当だった浜川勝彦先生です。学問的にも人間的にも大きな影響を受けました。先生は古典から近代文学まで深い知識をお持ちで、授業の国語が好きだった私には大変興味深いものでした。また、放課後や夏休みには、近くの寺院に生徒を集めて勉強合宿をしてくださったのを覚えています。合宿では、ふだんの授業では聞けない文学についてなど、面白い話をたくさんしてくださいました。これがきっかけで、学ぶことが楽しくなったという生徒もたくさんいました。受験のためだけに勉強をするのではないという考えが、学校全体の雰囲気だったと思います。このように大変恵まれた環境で学ぶことができました。

 

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生涯の友は上野高校時代にできました。
ライバルであり仲間でもありました。

 英語が好きだったこともあり、中学生時代は外交官になりたいと思っていました。世界を飛び回る仕事に憧れていました。医者を目指そうと思ったのは、高校に入学した頃です。健康診断で腫瘍が見つかり、病院通いが多くなったことがきっかけでした。私を診てくださったのは、結核研究の権威である京都大学名誉教授の岩井孝義先生です。研究指導においては厳しい方だったようですが、患者の私には大変優しく、病気や医学についてわかりやすく説明してくださいました。腫瘍は良性でしたが、大学に入学するまでそれがわかりませんでした。高校時代は定期的に病院へ行き、岩井先生と話をする中で、先生のような医者になりたいと思うようになりました。父を病気で亡くしたこと、親戚に医者がいたこと、自分の手で人の役に立つことをしたいと思ったことも理由でした。
  私を診てくれたのが岩井先生であったこと、実家からあまり遠くないこと、国立大学であったことが、私が京都大学を志望した動機です。

「まだ学び足りない」臨床の現場から大学院へ

 大学時代は、京都に観光に来た外国の方々を案内する「グッドサマリタンクラブ」に入っていました。英語で観光スポットを案内したり、通訳をしたりする京大生のボランティアサークルです。寺社仏閣をはじめとする歴史的な建造物や和の文化などを紹介するので、英語が話せるだけでなく、日本についてしっかりと理解している必要がありました。様々な国の人々と接する機会を通して、これまで以上に海外へ行ってみたいと思うようになりました。後に研究のためアメリカ、ドイツ、イギリスの大学に滞在し、また他の国々の研究者グループと交流しましたが、この時の経験が大いに役に立ったと思います。研究や医療においては国の垣根がないので、外国語で十分意志を通じ合えることが大切ですね。
  大学卒業後は内科に勤務しましたが、一方で「まだ学びたいことがある。十分ではない」という思いも抱いていました。学生時代は

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*3大学紛争が活発で、授業がほとんど行われなかった期間も長かったので す。紛争が激しかった時は解剖学の研究室で研究の手伝いをしていましたので、その時の縁があって大学院に進学して解剖学を始めました。
  私の研究は、受精卵からヒトや動物の体の形ができるしくみを探ることです。赤ちゃんは、お母さんのお腹の中で少しずつ形になっていきますね。その時、何らかの原因でトラブルが起こると様々な生まれつきの障害となって表われることがあります。その原因とメカニズムを突きとめる研究です。現在、先天性の疾患によって苦しんでいる方がたくさんおられます。こうした病気の原因には「遺伝子の異常」と「妊娠中の環境」があり、ほとんどの場合は双方が複雑に絡み合って胎児の発育に影響することがわかっています。母体の健康状態も原因の一つで、トラブルは誰にでも起こり得ることなのです。私たち研究者は、これらの問題を解決し、生まれつきの障害を予防するために今後も努力していかなければなりません。

  *3 大学紛争…1960年代末に全国に広がった大学生を中心とした政治運動。高等学校や予備校にも広がったため「学園紛争」とも呼ばれる。

人間を大好きであること

 医者は、十分な知識と優れた技術を身につけていることはもちろん、患者に寄り添い、その痛みや苦しみを感じ取ることが大切な仕事です。したがって、人間が好きでなければ医者は務まりません。これは医学の世界に限ったことではなく、あらゆる職業に言えると思います。若い時から人とコミュニケーションできる力を身につけてください。よい友人をつくり、豊かな人間関係を築いてほしいと思います。家族、友人、先生など周りの人々との縁を大切に、楽しい勉学時代を過ごしてくださいね。

見て、触って、学ぶ! メディカルミュージアム

 滋賀医科大学では、医学や理系分野について広く学んでもらいたいという思いから、開放型基礎医学教育センター「滋賀医大メディカルミュージアム」を2013年に開設しました。同大学が所有する人体模型、ヒトの骨格標本や臓器標本、医学関係資料など、通常は講義に利用されている資料を展示。模型や標本は実際に触ってみることもでき、リアルな教材で学べると好評です。スクリーン3DモニターやiPadを使っての学習もできます。見学者の年齢や学びたいテーマなどを事前に打ち合わせをし、大学教員が展示資料を選び見学メニューを準備するのも特長です。現在は、小学生から高校生、看護師や理学療法士などを目指すグループに開放されていますが、今後は一般公開も視野に入れて活動を広げていくそうですよ!

 

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http://www.sums-mm.com
お問い合わせ 077-548-2111。教材の貸出も行っています。

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