大学の学長先生の勉強時代のインタビューを掲載。

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わたしの勉学時代

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1873(明治6)年に設立された愛知県養成学校以来、
140余年の歴史を有する国立大学法人愛知教育大学。
高い知識と技術を持つ教員を輩出するため、また、豊かな感性を持つ人材を育てるため、カリキュラムの充実に取り組んでいます。今回は、2014年4月に同大学の
学長に就任された後藤ひとみ先生にお話を伺いました。
養護教諭の役割や必要性について、保護者の方にもぜひ知っておいていただきたい内容です。

将来は研究かものづくりに
携わりたいと思っていました

私は北海道空知郡奈井江町生まれです。
空知郡は道央と呼ばれる地区にあたります。石狩川の支流が流れる平野、どこまでも広
がる水田。そんなのどかな風景の中で育ちました。
  会社員だった父は多趣味な人でした。休みのたびに、釣りをしたり、オートバイに
乗って出かけたりしていたのを覚えています。小学1年生くらいまでは私もついて行
き、父と一緒に川釣りをしていました。木工作業も父の趣味の一つで、本棚などを自
作していました。家でじっとしている人ではなかったですね。
  そんな父の影響もあったのでしょうか、私も「面白いと思った分野を探
究する」ことや「自分の手で何かを作り出す」ことに大変興味がありました。小学生の頃は、漠然と、将来は研究者になるか、ものづくりに携わる仕事に就きたいと思っていました。ものづくりに関しては、小学生の時の出来事が今も記憶に残っています。夏休みの自由研究をすっかり忘れていて、登校日の前日に慌てて工作したことがありました。できた
のは、輪ゴムを巻いてプロペラを動かすキャラメルの箱に車輪をつけた作品。一晩
で仕上げた物でしたので、それを先生方に褒めていただき、申し訳ない気持ちがあり
ました。ですが、こうした体験もまた、ものづくりへの関心を強くする一因になったと思います。自由研究のように、自分らしくがんばれる課題は好きでした。

 

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ものづくりには今でも興味があります。時間が許されるなら、ガラス工芸などにも挑戦したいですね。

授業を聞く集中力と自分で考えて努力すること

 小学生時代の私にとって、学校は毎日きちんと通うべき場所であり、先生の話は真面目に聞くのが当然だと思っていました。
誰かに「学校の授業は大人しく聞くものだ」と教えられたわけではありません。授業をよく聞いていたおかげで、学習内容についてわからないところはまずありませんでした。振り返ってみると、この「授業を聞く
集中力」は、生まれた時から備わっていた素質だと思いますし、大人になった今でも役に立っています。また、2歳上の兄は私とは正反対の性格でした。彼は親からよく叱られていましたので、その姿を見て私はいい子になることができました。
  中学生になると定期テストが始まるわけですが、私の勉強に対する姿勢はそれまでと変わりませんでした。日々の授業を集中して聞くだけです。ただし、暗記科目についてはテスト前に一夜漬けをしていました。丸暗記すれば点を取れる教科には魅力を感じていませんでしたし、暗記は時間さえあれば誰にでもできると思っていましたので、私の場合はギリギリに詰め込めば十分だと思っていたのです。一方で、数学や国語は好きでした。数学は、学んだことを駆使して応用問題に挑みます。国語では、作者の
意図を考える問題が出題されます。このように、自分で考えて答えを導き出す作業は、頭を使って努力をしている実感がありまし
た。小さい頃から一貫して「考えるのが面白い」と思っていました。

しっかりと養護教諭を育てる専門的な教育環境の必要性

 中学生の頃から、大学へ進学したいと考えていました。一方で「なぜ、高校に行かなければならないのか?」という疑問も抱いていました。当たり前のことですが、高校を卒業しなければ大学へは行けません。もちろん、高校での教育が意味のないものだと言っているわけではありません。ただ、当時の私には納得がいかなかったのです。中学校までは義務教育なので、通うのは当然だと思っていました。大学は、興味のある分野について能動的にかつ専門的に学ぶ、目的を持って行く場所であるという理解でした。ところが、高校は「大学へ行くために通う学校」としか思えず、中途半端な印象だったのです。それでも「大学へ行くためだ」と半ば強引に納得して高校へ進学しました。

 大学進学を希望していましたが、受験勉強を必死にやったわけではありません。進学校であり、いい大学へ行こうと頑張っているクラスメイトもいました。そんな彼らを見て「疲れないのだろうか」と思っていましたね。学ぶことは好きでしたし、大学へ進学したいと考えてはいましたが、疲れるほど必死に勉強するのも何か違うのではないかと思っていました。
  東京の大学を受験した友人もいましたが、私が志望したのは地元にある国立大学です。
ただし、地元に残るとはいっても親に甘えるのではなく、進学後は自活すべきだと考えていました。そうして北海道教育大学を受験し、養護教諭の養成課程へと進むことになりました。
  当時の北海道教育大学は、養護教諭を養成するコースを設置したばかりでした。そして、現在とは違い、専門に教える教授がいない領域でもありました。これは北海道に限らず、全国的に言えたことです。大学では、養護教諭の仕事に関係する各分野の先生方が集まって講義をしてくださいましたが、十分だったかといえば、そうではありませんでした。「養護教諭を育てるために、しっかりとした教育環境を整える必要がある」と思ったのはこの時期でした。

 

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小学校、中学校時代に教わった担任の先生方
の名前は、全員覚えています。

養護教諭は「最後の砦」

 私が子どもの頃の学校には、養護教諭はいませんでした。小学校の頃は、事務のお姉さんがけがの手当をしてくれました。中学校では、看護師さんが臨時で勤めていました。保健室には教員がいなかったのです。私は養護教育学を専門としていますが、学び始めた頃は手探り状態でした。
  現在、養護教諭に求められるスキルは幅広く、期待されていることも多くなっています。一昔前の「保健室の先生」のイメージ
でいる方がおられるならば、それは時代遅れだと申し上げていいでしょう。また、養護教諭とは何か、どのような存在なのかということを、私たちもしっかりと伝えていかねばならないと常々思っています。
  児童や生徒たちは、養護教諭を頼り、様々な悩みを打ち明けます。子どもたちにとって、保健室という場所、また養護教諭
の存在はとても大きいのです。養護教諭には、クラス担任の先生方がサポートできない部分を助け、「最後の砦」として子どもたちを守っていくという責任があります。
  教員の世界においては、養護教諭はマイノリティな存在です。数が少ないからこそ、教員としての自覚はもちろん、より高い専門性をしっかりと身につけておく必要があります。病気やけがについてはもちろん、メンタル面に関わることまで、すべてのケアを行わなければなりません。子どもたちの命や人権に健康を通して密着している仕事だからこそ、その責任を果たせるだけの知識と技術が求められるのです。養護教諭として学校に入った後でも、常に新しい物事に関心を寄せ、自分を磨いていく必要もあります。大変ですが、養護教諭を目指して入学してくる学生たちは、「養護教諭になる」というはっきりとした意志を持っています。様々な場面でその必要性が高まっている養護教諭は、大変やりがいのある仕事なのです。

ちょっとした思いやりが皆さんを変えるはずです

 養護教諭に限らず、教員が持っていなければならないものは「豊かな感性」と「思いやり」です。簡単な言葉ですが、実際に行動に起こすのは難しいものです。現在は、人と人とのつながりが希薄になってきているのでなおさらでしょう。しかし、そんなご時世だからこそ、教員は思いやりを持って子どもたちに接し、豊かな感性で包み込んであげるべきなのです。その上で夢を与えてあげられたなら、言うことはありません。今の子どもたちは夢を諦めがちです。「自分なんかがいくら勉強しても夢は叶えられない」と言ってしまいがちな子どもたちに、豊かな体験を与えてあげることで前向きにしてあげられる存在は必要ではないでしょうか。これは教員に限らず、大人たちすべてに言えることだと思います。
  関塾で学ぶ皆さんには、周囲に対して、ちょっとした思いやりを持っていただければ嬉しいですね。例えば、電車に乗っていても、混雑時に荷物を座席に置いている人、イヤーフォンから音楽が漏れている人など、周りに気を配れていない人がたくさんいます。ぜひ「自分は大丈夫だろうか?」と振り返る機会を持ってください。周りに対するちょっとした思いやり、優しさが、皆さんの行動を変え、心を変えてくれるはずです。

科学・ものづくり教育推進センター

 豊かな感性と思いやりを持つ教員を育てるため、愛知教育大学ではカリキュラムの充実に取り組んでいます。来年の4月からは、体験型のカリキュラムも積極的に取り入れていかれるということです。企業と連携をして学生に社会を体験させたり、海外と連携して特にアジアの教育現場に学生を派遣させたりということも企画しています。
  また、国内の教育現場との連携では、「科学・ものづくり教育推進センター」の取り組みが特徴的です。科学・ものづくりの高い知識と指導力を持った教員を養成することを目的としています。同大学の学生たちがボランティアとして地域の小中学校へ出向き、子どもたちと一緒に科学実験やものづくり体験を楽しんでいます。また、センター内には教材を開発するために工作機械を完備した「教材開発工房」もあり、教員や学生たちに利用されています。教育実習とは違う実践的な体験は、教員になった後でも役に立つことでしょう。

 

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「科学・ものづくり教育センター」では、小学生を対象に、天体望遠鏡などを自作する「天文工作教室」も実施しています。

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