学校、受験、入試対策、社会歴史から一般教養まで幅広く発信しています。

目標を決めたら! 始めよう!タイムスはいつでも君の味方です!

メールフォームでも受付中

関塾TIMES

今月のタイムス

関塾タイムス特集記事

大学の学長、塾先生の勉学時代

関塾タイムス・イラストギャラリー

タイムス編集部だより

関塾

KANJUKUTIMES

tel06-6241-5050

〒541-0056
大阪市中央区久太郎町3-4-30
船場グランドビル六階

関塾

>>バックナンバーはこちら

大阪市立自然史博物館

人間をとりまく自然について、成り立ちやしくみ、その変遷や歴史を学ぶことができる博物館です。
「身近な自然」「地球と生命の歴史」「生命の進化」「生き物のくらし」の4つに分かれた常設展示の他に、自然界の構造や私たちとの関係を考える特別展やイベントなどを実施しています。
夏休みの自由研究にぴったりの展示・イベントは、9ページで紹介します!

 

大阪府大阪市東住吉区長居公園1-23 TEL.06-6697-6221
http://www.mus-nh.city.osaka.jp

 

大阪市立自然史博物館
学芸員 理学博士  林 昭次さん

古脊椎動物学者。2013年4月より大阪市立自然史博物館の古脊椎動物担当として勤務。骨の内部構造に主に着目することで、恐竜類をはじめとした大型脊椎動物の生態の進化の解明について取り組んでいる。
近年、恐竜類の装飾物の機能と脊椎動物の二次的水生適応について研究を進めている。
これまで、ステゴサウルスの背板の役割について解明するなどの恐竜研究における実績がある。

 
 

恐竜ってどんな生き物?いつ頃生きていたの?

ワニやトカゲ(は虫類)にそっくりな恐竜。ところが、足が体の横から伸びているは虫類と違い、恐竜は体の下からまっすぐに足が伸びているのが特徴です。大型の恐竜が繁栄した時代を「中生代」といいます。
中生代は大きく三畳紀、ジュラ紀、白亜紀に分けられます。

 

 

三畳紀の初め、地球は現在のようにいくつかの大陸に分かれておらず、「パンゲア大陸」という一つの超大陸がありました(後期に分裂を始めます)。この頃の地球では、は虫類、アンモナイトなどの生き物がたくさんいて、恐竜も繁栄していました。
地球史上初のほ乳類もいたのではないかと言われています。また、シダやトクサなどの裸子植物が水辺に生えていました。
三畳紀末期に火山活動が活発になります。溶岩が生き物たちのくらす大地を焼きつくしました。また、酸素の濃度が低くなり、二酸化炭素が増え、温室効果によって地球の温暖化が進みました。この環境の激変に耐えられなかった多くの陸上の生物、海中の生き物たちが絶滅したと考えられます。

     

 

エオラプトル

三畳紀後期に生息した最古の恐竜の一種で、名前には「夜明け(暁)の泥棒」という意味があります。体長は1mほど。前足が短く、ティラノサウルスに代表される「獣脚類(→7ページ)」と考えられていましたが、現在では植物食恐竜の「竜脚形類(→6ページ)」ではないかとも言われています。

ピサノサウルス

エオラプトルと同時期に、現在のアルゼンチンあたりに生息していた恐竜です。後に登場するイグアノドンやステゴサウルス、トリケラトプスなどと同じ特徴を持つグループとされています。

コエロフィシス

林さん「三畳紀後期に生息していたコエロフィシスは、最も原始的な肉食恐竜の仲間の一つです。コエロフィシスの化石を調べた結果、気嚢と呼ばれる空気が入った袋が骨に入っていたことがわかりました。この気嚢は鳥にもあって、効率的に呼吸をするのに役立っています。
進化の過程を解明する重要な手がかりです」
※シーロフィシスと呼ぶ場合もあります。
エオラプトルと同時期に、現在のアルゼンチンあたりに生息していた恐竜です。後に登場するイグアノドンやステゴサウルス、トリケラトプスなどと同じ特徴を持つグループとされています。

 
 

 

三畳紀末期の環境の変化によって、地球上の二酸化炭素量は増大、温暖化しました。降水量も多く湿度も高かったため、植物は種類を増やしていきました。
植物たちは水辺から内陸へと繁殖していき、イチョウやソテツなどが森をつくりました。
三畳紀の大量絶滅を生き延びた恐竜たちも、種類を増やし、大型化しました。海洋でも魚類やは虫類などがたくさんすんでいました。また、空を飛ぶ翼竜の他、最古の鳥類の一つ・始祖鳥が登場したのもこの時代です。

     

 

アロサウルス

ジュラ紀後期に生息していた大型の肉食恐竜です。これまで発掘された化石から大きなものでは約12mにもなったと考えられています。
→大型の肉食恐竜については7 ページへ。

アパトサウルス

ジュラ紀後期の大型の植物食恐竜です。 群れで移動しながら、長い首を伸ばして木の葉を食べていました。

ステゴサウルス

林さん「ジュラ紀の後期に生きた、植物食の恐竜です。私が専門とする恐竜でもあります。特徴は、何といっても背中の大きな骨の板と尻尾のトゲです。ステゴサウルスには “屋根に覆われたトカゲ”という意味があります。
これは以前、背中の板は立っておらず、横にした状態でついていたと考えられていたためです。その背中の板の化石をスライスして組織まで徹底的に調べてみると、たくさんの血管が通っていることがわかりました。
血管が通っていたということは、ゾウの耳と同じく体温調節をこの板でしていたのではないかと考えられます。仲間同士で見せ合うディスプレイの役割もあったのではないでしょうか」

 
 

 

ジュラ紀に続き、温暖で湿潤な気候でした。地上では、被子植物が主流となって広がり、スギなどの針葉樹は現在とほぼ変わらない姿にまで進化しました。
地上では、恐竜がますます繁栄しました。よく知られているティラノサウルス(→7ページ)、トリケラトプス、また翼竜の一種プテラノドンなどが登場した時代です。
大陸のどこにでも恐竜がいたと考えられて います。
白亜紀の末期に、隕石の衝突による大量絶滅が起こったとされています。これによって、陸上にすむ大型の生き物の約半数、海中の生き物の約75%が絶滅しました。白亜紀が終わるのと同時に、恐竜の時代も幕を閉じたのです。

     

 

パキケファロサウルス

白亜紀後期に生息した「石頭恐竜」の代表的な種類です。
体長は7mほど。頭のてっぺんの骨が厚くドーム状になっているのが特徴です。このドーム状の骨が果たした役割については、様々な説があります。

ミクロラプトル

白亜紀前期の小型の羽毛恐竜です。化石は中国の遼寧省などで発掘されています。羽毛の化石が発掘され、羽の色が復元された数少ない恐竜の一種です(→8ページ)。

白亜紀の大阪

林さん「白亜紀、日本列島はまだ誕生していませんでした。大陸の一部分だったり、海の底だったりしました。大阪府と和歌山県の境にある和泉山脈の地層を調べてみると、白亜紀末期のアンモナイトや貝の化石が見つかります。
植物の化石も見つかっているので、この頃の大阪は、陸地から大変近い海であったと考えられます。すぐそばまで恐竜がやって来ていたことでしょう。和泉山脈から見つかった化石も、自然史博物館で見学できますよ!」

 
 
 

いちばん大きかった恐竜は?

これまで発掘された恐竜のなかで、最も大きな種類は白亜紀に生息していたアルゼンチノサウルスです。発見された化石は脊椎の骨など一部分のみですが、極めて大型の恐竜だったと考えられています。

 

このアルゼンチノサウルスをはじめ、ブラキオサウルス、スーパーサウルス、アパトサウルスなどの竜脚形類というグループに属する植物食恐竜の多くが非常に大きな体を持っていました。竜脚形類にグループ分けされる恐竜たちの多くが長い首を持っているということも、大きな特徴です。
その竜脚形類の植物食恐竜には、長い首を持ち上げて高い木の葉を食べる種類、あまり首を持ち上げずに中間あたりの高さの葉を食べる種類がいました。また、5ページで紹介したステゴサウルスなどのように、長い首を持っておらず、地面に生えるシダなどを食べる種類もいました。食べ物を確保するための厳しい競争を少しでも避けるために、
植物食恐竜たちは食べ分けをしていたようです。

 
 

いちばん強かった恐竜は?

発掘された化石からわかる体の大きさ、特徴などからティラノサウルスをはじめとした
獣脚類に属する大型の肉食恐竜が最も強かったのではないかと考えられています。

 

北アメリカの白亜紀末期の地層から発見され、地上最大級の肉食恐竜として有名なティラノサウルス。子どもと大人では体の特徴が大きく異なります。子どものティラノサウルスは脚が長く体つきもほっそりとしていて、大人よりも速く走ることができたようです。一方、大人のティラノサウルスには、杭のような丈夫な歯と顎がありました。
アフリカゾウの太ももを骨ごと噛み砕けるほどの、ものすごい力があったとされています。これに対して、子どもの歯は切り裂くのに適したナイフ状でした。ティラノサウルスの仲間は群れで化石が見つかっているものもあります。このことから、子どもが獲物を追い詰め、大人が仕留めるという方法で、集団で狩りをしていたのではないかとも考えられているのですよ。

 
 
 

Q 恐竜には羽毛があった?

林さん「1996年以降、“体は恐竜だけど羽毛が生えている化石”が大量に見つかるようになりました。それまで、恐竜はヘビやトカゲに似た変温動物だと考えられていました。ところが、鳥の進化にはつながらないティラノサウルスやトリケラトプスの仲間にも、羽毛が生えている化石が見つかり始め、私たちと同じ恒温動物だと考えられるようになりました。体の小さな恐竜は体温を保つために羽毛が生えていた可能性があります。また、体の大きな恐竜でも、仲間にアピールするために羽毛を持っていた種類もいたかもしれませんね。
また、ほとんどの恐竜はどんな色をしていたかわかっていませんが、始祖鳥やミクロラプトルなど4種類の恐竜については羽毛の化石が見つかっていて、分析の結果、色や光沢などが特定されています」
 

Q 恐竜は子育てをしたの?

林さん「恐竜にいろいろな種類があるように、恐竜の卵にもいろいろな大きさがあります。共通して言えることは、大人の恐竜の体の大きさに対して、卵は大変小さいということです。大きなものでは30mにもなる竜脚形類(→6ページ)の卵は、人間の両手に乗せられるくらい小さいんです。大人の恐竜と比べると、大変小さいことがわかります。恐竜は、小さな卵をたくさん産んでいたようです。
恐竜のいくつかの種類は、子育てをしていたのではないかと考えられています。大人と子どもの化石が同じ場所から見つかることがあるのも理由の一つです。7ページで紹介したように、ティラノサウルスは親子で狩りをしていたと考えている研究者もいます」
 

恐竜の卵の化石も、大阪市立自然史博物館で見学できます。

Q 恐竜は絶滅したの?

林さん「ズバリ言います。恐竜は絶滅していません。現在も地球上のあちらこちらで見ることができます。そう、鳥類です。これまで鳥類は恐竜が進化したものと考えられてきました。あの有名な始祖鳥は、は虫類と鳥の中間的な存在とされてきました。
ところが、先ほど恐竜の色についてのところでもお話ししましたが、羽毛の生えている恐竜がたくさん見つかるようになりました。鳥類への進化につながらない恐竜の化石からも羽毛が見つかるようになったので、研究する上で恐竜と鳥を区別できなくなったのです。つまり、鳥は恐竜の一種であるということが言えます。これからは鳥を見かけたら、“あ、恐竜の生き残りだ!”と思うと楽しいですよ!」
 
 
 

interview 恐竜研究の魅力

林さん「私が恐竜に興味を持つきっかけとなったのが、3歳の頃に出会った特撮怪獣映画『ゴジラ』です。映画を観て感動した私を、母は大阪市立自然史博物館に連れて行ってくれました。そして、そこでゴジラの特徴的な背びれのモデルとなった、ステゴサウルスの化石を初めて見たのです。「映画にしかいないと思っていた生き物が、地球上に実在していたんだ!」と驚き、感動したのを覚えています。それから大学院時代、東京の国立科学博物館で研究をしていた時に、偶然ステゴサウルスの化石と再会。「ぜひ研究をさせてほしい」と手をあげたのが、恐竜研究の始まりでした。幼い頃に出会った恐竜と、こんなに長い付き合いができるとは思ってもみませんでした。

恐竜研究の魅力は“わからない”ことです。鳥類を除く大型恐竜は絶滅して、地球上からいなくなってしまいました。 絶滅した生き物を研究するのは大変ですが、わからない部分が多いからこそ面白いとも言えます。例えば、私は、恐竜 の成長過程について研究しています。
子どもが大人になる時どのように変化するのかについては、これから子どもの化石がどんどん見つかれば、わかるようになってくるでしょう。7ページでお話ししたティラノサウルスのように、子どもと大人では体の特徴が異なる種類もいるかもしれません。また、生き物の進化は、過去から現在までずっと続いているものです。現在に生きる動物たちを調べることで、恐竜についてわかることもあるのですよ。また、恐竜について研究していると、世界中の研究者と友だちになれます。植物学者や動物学者と一緒に研究することもあるので、たくさんの友だちができるのも魅力です」恐竜研究の魅力は“わからない”ことです。鳥類を除く大型恐竜は絶滅して、地球上からいなくなってしまいました。 絶滅した生き物を研究するのは大変ですが、わからない部分が多いからこそ面白いとも言えます。例えば、私は、恐竜 の成長過程について研究しています。
子どもが大人になる時どのように変化するのかについては、これから子どもの化石がどんどん見つかれば、わかるようになってくるでしょう。7ページでお話ししたティラノサウルスのように、子どもと大人では体の特徴が異なる種類もいるかもしれません。また、生き物の進化は、過去から現在までずっと続いているものです。現在に生きる動物たちを調べることで、恐竜についてわかることもあるのですよ。また、恐竜について研究していると、世界中の研究者と友だちになれます。植物学者や動物学者と一緒に研究することもあるので、たくさんの友だちができるのも魅力です」

 

大阪市立自然史博物館 夏休みイベント情報

今回訪れた大阪市立自然史博物館では、夏休み期間を含む2015年7月18日(土)〜10月18日(日)まで、第46回特別展「たまごとたね―いのちのはじまりと不思議―」を開催します。生き物の卵と植物の種。どちらも次の世代へ命をつなぐ大切な存在です。特別展では、様々な卵と種を比べながら、卵がどのように親に守られているのか、種はどのように移動していくのかなどを学ぶことができます。世界最大のフタゴヤシの種子や、現在生きている鳥の中で世界最大のダチョウの卵も展示されるそうです。また、夏休み期間は、ワークショップ「おしえてハカセ鳥たまご」も開催(7月25・26日、8月1・2日)。夏休みの自由研究にぴったりのイベントですよ!

 

Page Top