大学の学長先生の勉強時代のインタビューを掲載。

目標を決めたら! 始めよう!タイムスはいつでも君の味方です!

メールフォームでも受付中

関塾TIMES

今月のタイムス

関塾タイムス特集記事

大学の学長、塾先生の勉学時代

関塾タイムス・イラストギャラリー

タイムス編集部だより

関塾

KANJUKUTIMES

tel06-6241-5050

〒541-0056
大阪市中央区久太郎町3-4-30
船場グランドビル六階

関塾

>>バックナンバーはこちら

image

わたしの勉学時代

image

1862(文久2)年に加賀藩によって設置された種痘所を起源に持ち、2012年に創基150年を迎えた金沢大学。2015年3月に開業した北陸新幹線などでも話題の金沢市で、世界で活躍できる人材の育成に力を入れている大学です。今回は、同大学の卒業生でもあり、2014年4月に学長に就任された山崎光悦先生にお話を伺うかが いました。高校時代の挫折、ものづくりの可能性についてなど、興味深い話題が盛りだくさんです!

農家の跡取りとして

私が生まれた小矢部市は富山県西部にあり、石川県金沢市とは隣接しています。砺波平野に田んぼが延々と広がる、のどかな土地です。
私の実家もまた、この地域に暮らす人々と同様に代々農業を営んできました。父は富山県立福野の農学校(現在は富山県立南砺と福野高等学校)の卒業生です。農業普及指導員として働き、後に小矢部市役所に転職。兼業農家をしていました。正直で真面目、他人を押しのけてまで前へ出ようとすることの決してない、周りから尊敬される父でした。
私は跡取りということもあり、振り返ってみると多少は甘やかされて育ったかもしれません。その一方で、将来は地元で就職して家を継ぐことを期待されて育ちました。
勉強についてはうるさく言われませんでしたが、家の仕事だけは手を抜かないようにと厳しくしつけられたのを覚えています。特に、農作業に関しては徹底的に教え込まれました。
ニワトリやヤギ、ヒツジ、乳牛なども育てていたんですよ。一年のほとんど、春から秋にかけては本当に忙しくて、夜遅くまで仕事をすることも珍しくありませんでした。
家では勉強をする暇がなかったので、学校で宿題を終わらせるのが日課でした。

 

image

今も小矢部市から金沢大学に通っています。

小学校からの帰りには、田んぼのそばを通る小川で友人たちと一緒によく魚を獲ったものです。学校から家までは片道2.5 〜3qほどありましたので、ついつい寄り道をしてしまいます。
魚獲りに夢中になってカバンを忘れて帰ったこともありました(笑)。冬の雪深い道を苦労して登下校したことも思い出です。

「将来は科学者になりたい!」ものづくりに興味津々な子ども

中学生になると、父は私に「数学だけは怠らないように」と言いました。数学は日々の学習の積み重ねが大切な教科だからでしょう。父から勉強に関してアドバイスを受けた記憶はこの一度だけです。
父の言葉があったからではありませんが、数学はずっと好きな教科でした。現在、私が専門とする分野でも数学を駆使することがあり、数学の知識を他の分野に活かして役立てることに魅力を感じます。
思えば、中学生の時から、あるいは算数が好きだった小学生の時から、現在の職業につながっていたのかもしれませんね。一方で国語が苦手で、テストでもいい点数が取れませんでした。小学生の頃、文学作品どころか本をほとんど読まない子どもでしたので、本を読む同級生と比べると語彙は豊富でなかったと思います。
「五月雨」が読めなかった時は、文学好きで俳句も作る母に「どうしてこれが読めないの!」とひどく叱られました。そうした嫌な思い出があるので、どうしても国語、文学にはコンプレックスを感じてしまいます(笑)。
国語は苦手でしたが、当時の最新の科学技術を解説する読み物には夢中になりました。小学校の図書館にあった何十冊という科学技術に関する本を、誰よりも早く読破してしまったほどです。当時の日本は高度経済成長期。私が中学校に進学した年には東海道新幹線が開通するなど、技術面も飛躍的に発展しました。そんな中で、「自動車や宇宙ロケット、飛行機、電車、橋…… 海外の最先端技術をもっと知りたい!」と強く思うようになったのです。
ものづくりには昔から関心を持っていて、物の仕組みを知りたくて分解しては組み立て直す作業が大好きでした。ただ、部品を無くしてしまうとだめですね。組み立て直せなかった目覚まし時計が何個かあります(笑)。部品の形や組み立てる順番を記録するために図に描いて残すなど、工夫しながら挑戦していました。

高校時代の挫折と受験勉強

小学生の頃には、すでに「大学に行って工学を勉強して、将来は科学者になりたい」と考えていました。しかし、先ほども話した通り、跡取りである限りは農作業家畜の世話のほうが大切です。大学に行って研究するなど、親は許さないだろうとも思っていました。
転機となったのは高校生の時でした。実家の近くに、自動車エンジンを加工する精密機械を製造している会社があると知りました。大学を出た優れた技術者が集まっている会社、当時の日本では唯一ここだけが製造していた精密加工の機械。私は「働くならここしかない」と確信しました。地元で就職すれば、父のように兼業農家としてやっていけます。何より大学では好きな工学の勉強ができます。親を説得して、金沢大学を受験する許しをもらいました。
中学校の3年間はバレーボール部に所属、練習に打ち込んでいました。高校でも続けていたところ、1年生の夏頃に担任の先生から「このままの成績では、国立大学合格は難しいぞ」と言われてしまいました。入学当時は成績がよかったのですが、バレーボールに熱中するあまりどんどん成績が落ちていき、ついには下から数えたほうが早い順位になっていたのです。先生に言われてしまったからには辞めるしかなく、挫折を味わいました。その後も生徒会活動をしたり、校内誌の編集をしたりと忙しく、先生には「何のために部活を辞めたんだ」とあきれられたのですが(笑)。

 

image

目覚まし時計の他には自転車も分解しました。こちらも何台かは部品を無くして元に戻りませんでした(笑)。

おかげで充実した高校生活を送ることができました。父から言われた通り、数学の学習は日々怠らなかったと思います。また、数学や物理、化学は自主学習をどんどん進めて、その学年の夏休みあたりには1年間の学習範囲を終えていました。優秀な同級生たちと競い合いながら勉強をしたおかげもあり、成績も次第によくなっていきました。金沢大学の入試では、数学は制限時間の半分ほどで全問解いてしまったのは、ちょっとし た自慢です(笑)。
授業に先駆けて無理に学習を進める必要はありません。大切なのは理解することです。一つコツがあるとすれば、授業の内容は、その授業内で理解してしまうつもりでいるといいでしょう。わからなければ先生に質問するなど工夫して、わからないことを後回しにしないようにしましょう。

日本で、世界で活躍できるものづくり技術者の未来

金沢大学工学部の同期生は、大変優秀な若者ばかりでした。優秀であると同時に、志の高い人物も大勢いました。誰もが高度経済成長期の発展を肌で感じていて、「工学を学んで日本を支えていくんだ!」という気概に溢れていたものです。当時、多くの若者が工学部を目指し、工業の分野でトップを行くアメリカに追いつけ追い越せと意気込んでいました。日本はものづくりに優れています。資源の乏しい島国だからこそ、経済を支えていくためには最先端の技術を磨き、国内外で活かしていく未来が望まれます。
現在の工学は、私が学生だった頃より格段に高度化・精密化しています。エンジニアには、単なる技術の追求だけでなく、グローバルな視野、環境への配慮なども求められます。また、そこに活躍のチャンスも見出せます。まだまだ可能性のある分野、積極的に取り組んでくれる若者が増えてほしいと願っています。
私の専門は機械工学です。あらゆる物質の弾性変形をコンピュータでシミュレーションする研究をしてきました。物質は力を加えると変形し、加えた力を除くと元の形に戻ります。私の研究は有限要素法といって、例えば金属やプラスチックの材料に力を加えるとどのように変形するのか、どれほどの力を加えると壊れてしまうのかを計算するといったものです。素材の強度について正しくシミュレーションすることで、製品の安全性を確かなものにしたり、最適な軽量化を実現したりできます。宇宙工学にも役立てられる研究です。

諦めないこと、続けること

諦めないこと、続けること。それが、今の皆さんにとって大切ではないでしょうか。毎日勉強していると、単調に思えて飽きることがあるかもしれません。そこで放り出さずに続けられれば、その先には必ず楽しいことが待っています。わくわくするような発見があります。自分の成長を実感できる日がやって来ます。未来に大きな希望、目標を持ってがんばってください。すぐに結果を求められることが多い世の中ですが、若い皆さんには先を見つめることも必要だと思います。
充実した大学生活を実現するために、勉強をがんばるだけでなく、皆さん自身の心を磨 みがくことも大切です。相手を思いやれる人、自分の思いや考えに素直になれる人、自分の思いや考えを相手に上手に伝えられる人は魅力的です。コミュニケーション力の必要性がよく言われますが、その基本はやはり人間力ではないかと思います。楽しい勉学時代を過ごしましょう!

金沢大学 〈グローバル〉スタンダード

インタビューの中で「学生の皆さんには、グローバルな視野を持ち、ここぞという時に考え抜く力、課題解決のために工夫する力を養ってほしい」と山崎先生はおっしゃいました。  
「東アジアの知の拠点」を目指す金沢大学は、2014年、文部科学省よりスーパーグローバル大学創成支援(SGU)事業に採択されました。そんな同大学では、世界で活躍できる人材を育むため、金沢大学〈グローバル〉スタンダード(KUGS)を実践する教育を行っています。英語力や各分野の専門知識だけでなく、国際社会でリードしていける人間力を養うカリキュラムを用意(GS科目群)、学士課程から大学院課程まで一貫した教育が受けられるのも特長です。また、学生たちが積極的に海外に出る機会も設けられています。金沢大学の今後が楽しみですね!

 

image

2015年4月より運用を開始した「英語学習アドバイザー制度」。一人ひとりに合った英語学習支援が受けられます。

Page Top