>>バックナンバーはこちら

 

本格的な望遠鏡で天体観望してみよう!

天文台や望遠鏡がある科学館などでは、定期的に天体観望会が開催されています。天体観望会の魅力は、なんといっても「本格的な望遠鏡で観望できる」ことです。個人ではまず入手できない高性能で高価な天体望遠鏡で、星空を観察できることにあります。専門の研究者やスタッフの方が、わからないことについて丁寧に教えてくれるのもいいですね。
今回は、京都市北区にある京都産業大学の神山天文台に行ってきました。神山天文台の反射望遠鏡“荒木望遠鏡”は、主鏡(=光を集めるための鏡)の直径が1.3 m。人間は眼の黒い部分(瞳)で光を集めますが、荒木望遠鏡はその約5万倍多く光を集めることができます。この本格的な望遠鏡は、研究者だけでなく一般にも広く開放されています。

京都産業大学 神山天文台

京都産業大学の創立50周年を見据え、設置された天文台です。様々な観測装置も備えられ、国内有数の性能を誇ります。最先端の研究の他、毎週土曜日には一般にも開放され、天体観望会が行われています。時間は3~9月が19~21時(受付は18時30分~)、10~12月 は18~20時(受付は17時30分~)。平日および土曜日には施設の見学もできます。どちらも事前予約は不要です。※中学生以下の夜間観望は要保護者同伴。

神山天文台
京都府京都市北区上賀茂本山 TEL:075-705-3001 URL:http://www.kyoto-su.ac.jp/kao/

 
 

木星のしま模様をとらえた

5月下旬、土曜日の19時。太陽がほとんど沈んだ頃に、神山天文台の天体観望会がスタートしました。受付を終えた人たちは、天文台の3階・天体観測ドームへと向かいます。目の前に荒木望遠鏡が現れると、その迫力に歓声が上がりました。
この日、天体観望会の解説を担当されたのは、天文学者の中道先生です。先生は「この時間、観望しやすい惑星は木星です。南の空の高い位置に出ています」と言います。荒木望遠鏡は、すでに木星の姿をとらえているようです。

先生は、まず木星について丁寧に説明してくださいました。「木星は、太陽の周りを回る中で最も大きな惑星です。地球が横に11個くらい並んでしまうくらい、大きい のですよ。大きいのですが、自分で回転する速度、自転が速い惑星でもあります。地球はおおよそ1日かけて1回転しますが、木星はたった 10時間で1回転します。大きな惑星が、速いスピードでびゅんびゅんと回っていますので、
上空にある雲が、自転の方向に沿って流れ、しま模様になっているのです」と先生。木星のしま模様について、大変わかりやすく解説いただけました。
いよいよ木星を観望です。天体観測ドームは、天井のスリット部分が開閉式になっています。また、望遠鏡と天井が360度回転するようになっていて、どの方角の空も観望できます。見学者は、実際に木星のしま模様を目にして大興奮!  
「もう一度観たい!」と手をあげる人が続出でした。その後も、火星や木星の周りを回っている衛星など、様々な天体を観望しました。

小型望遠鏡で星を観察

神山天文台では、研究者やスタッフの他に、学生による“神山天文台サポートチーム”も活動中です。サポートチームのメンバーは、解説などをするためのカリキュラムを受講しています。今回の観望会でも、中道先生が解説をされている間、子どもたちの質問に答えていました。気になったことをすぐに質問できるのがいいですね。
荒木望遠鏡の他に、研究でも使用する小型望遠鏡や双眼鏡での天体観望も体験できました。木星のしま模様や衛星もしっかり見ることができました!  
また、雨天時の観望会は中止となりますが、その代わりに3D映像で宇宙旅行を楽しむ上映会が開催されます。そちらも楽しそうですね!

 
 

第2の地球を探そう!

天体観望会で解説を担当されていた、中道先生にインタビューしました!

―中道先生は、いつから神山天文台に関わっておられるのですか?
「天文台の設立当初からです。その前は、群馬県立ぐんま天文台(→8ページ)で研究員をしていました。神山天文台の荒木望遠 鏡の名前は、京都産業大学の創設者で天文学者の荒木俊馬博士からいただきました。 世界トップレベルの設備をどう運営していくか、その方針を決める段階から関われたことに大変やりがいを感じています」

―神山天文台では、どのような研究が行われているのですか?
「実に様々な研究が、同時に行われています。そのうちの一つが“第2の地球を探そう!”という観測テーマです。広い宇宙には、太陽と同じように自ら光を発する恒星がいくつもあります。その周りを回る惑星の中に、地球にそっくりの星もあるはず。それを探し出す研究です」

―第2の地球、興味深い話ですね!
「面白いテーマですよね。気の遠くなるほど遠い場所を探しますので、重力によって光の進路が曲げられる現象『重力レンズ効果』を利用します。遠くの惑星も重力レンズとして働きますので、暗くて見えない小さな惑星まで発見することが可能です。
新しい装置を設計したり、組み立てたりすることも、研究者の仕事なのですよ」

天文学の魅力を伝える場所

―先生は、どのような研究をされているのですか?「N極とS極が反転する星を探す研究をしています。地球上では方位磁針は常に北(S極)を指しますが、50~100万年ごとにN極とS極が反転することがわかっています。太陽は周期が短く、約11年ごとに反転します。同じような星が他にもあるはずで、それを探すために観測しているのです。
学内に天文台があるため、継続的に観測が必要な研究もスムーズに続けられます」

―先生と天文学の出会いはいつですか?
「幼稚園の頃、家族で出かけた先で、見事な天の川を目にしたことがきっかけです。あまりにも壮大で幻想的な世界に圧倒され、心に残りました。小学校時代には松本零士先生の作品に夢中になり、天文学にのめり込んでいきました。『銀河鉄道999』誕生のきっかけは、荒木俊馬博士の著書『大宇宙の旅』(→25ページ)であったそうです。 神山天文台との縁を感じます」

―神山天文台にも、星が大好きな子どもたちがたくさん訪れていますね!
「私が子どもの頃に体験した感動のように、神山天文台での体験が、天文学への興味・関心のきっかけになってくれたら嬉しいですね!」

 
 

8月の星たち

中道先生によると、8月は火星と土星が見ごろだそうです。土星は、南の空の低い位置で黄色っぽく輝いています。赤く輝く明るい火星の隣 となりには、同じく赤い星であるアンタレスも見られます。さそり座の星です。
中道先生おすすめの星はアルビレオ。はくちょう座のくちばしのところで輝いています。肉眼では1つの星に見えますが、望遠鏡でのぞくと金色と青色の2つの星が寄り添って見える、非常に美しい“二重星”です。宮澤賢治の作品『銀河鉄道の夜』では、この2つの星は宝石のトパーズとサファイアに例えられています。なかなかはっきりととらえることができないので、天文台や科学館の観望会に参加する機会があれば、ぜひ探してみてください!

 
 

イベントが盛りだくさん!

1956年に開館、国内の公開天文台の中で3番目に長い歴史を持つ天文台です。自然豊かな富山市三熊にあり、直径1mの主鏡と人工衛星を追尾できる高精度の架台を持った天体望遠鏡を設置しています。一般向けには、毎週水~土曜日の夜に「星空観察会」を実施。仲良く並ぶ火星と土星、
月のクレーターなどを観察できる予定になっています。また、天体を写真に写すイベントも毎月開催されていますので、興味があれば狙って訪れるのもいいでしょう。  
星についてもっと知りたいという人は、ミニプラネタリウム「星空の部屋」がおすすめです。月ごとに、様々なテーマで神話や星座などについて紹介しています。
8月のテーマは「夏の大三角と星の動き」です。はくちょう座やわし座など、夏の大三角を構成する星について学んでみましょう。また、夏休みには、「わくわく☆工作室」でかんたんな天文工作が体験できます(先着20名)。
星座早見や月球儀づくりに挑戦してみましょう。夏休みはイベントが盛りだくさんですので、天文台で1日かけて遊べますよ!


富山市天文台

富山県富山市三熊49-4 TEL:076-434-9098
http://www.tsm.toyama.toyama.jp/tao/

 

イ本格的な望遠鏡で観望会

主鏡の直径が150㎝ある反射望遠鏡、直径65㎝の反射望遠鏡など、研究に利用される本格的な望遠鏡がある天文台です。一般向けに*1夜間の天体観望を開催しています。
大きな望遠鏡をのぞいて、本物の星を観てみましょう。観望中は専門の職員の解説を聞くことができますので、星について詳しい知識がなくても安心です。
青空の中で光る星を望遠鏡で見るイベント「昼間の星の観察会」もありますので、星の見え方の違いを夜間と比べてみるのも面白いですね。今年の夏休みには、特別企画「火星と土星を見よう」も実施予定です。
今年の見ごろである火星と土星を観望できます。また、初心者を対象に、実際に望遠鏡を操作しながら観望する*2体験学習「はじめての望遠鏡教室~見てみよう、あの星空を~」も年5回の予定で開催中。天文学に興味のある人は、ぜひ体験してみましょう!

*1土・日・祝日、夏休みの一部など。予約不要。団体での観望は水~金曜日実施で、こちらは要予約です。観望時間は3~10月は19~22時、11~2月は18~21時。
*2要予約。ホームページから申込用紙をダウンロード、注意事項をよく読んで応募しましょう。

群馬県立ぐんま天文台

群馬県吾妻郡高山村中山6860-86 TEL:0279-70-5300
http://www.astron.pref.gunma.jp

 
 

関塾に通いたい方

関塾で働きたい方

バックナンバー

協力校

Page Top