- 今月のタイムス特集②
今年度の大学入試における「英語成績提供システム」導入は見送られましたが、そもそもこのシステムを導入することになったのは、「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能を測るのが目的でした。文部科学省は、新たな英語試験について、2024年度からの実施を目指し、約1年をめどに見直しを進め結論を出すことにしていますが、どのような結論が出ても、入試の際にこの4技能が評価される方向性は変わりません。受験を見据えて、今から4技能をバランスよく習得する準備をしておきましょう。そこで今回は、英語4技能を総合的に学ぶのに役立つ英語検定を紹介します。
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累計受験者数1億人!入試に役立つ国内向け技能試験
https://www.eiken.or.jp/
1963年に始まった英検は、国内最大規模の英語の検定試験です。年間受験者数は約380万人(2018年度)。関塾生の皆さんの中にも受けたことがあるという人、多いですよね? 小学生から社会人が対象で、中学初級程度の5級から大学上級程度の1級(推奨級はいずれも目安)まで7つの段階に分かれており、自分のレベルに合わせて級を選び受験できます。注目したいのは、取得した級によって入試でより良い評価が得られる優遇制度があること。多くの大学や高校、中学の入学試験や単位認定で優遇されます。具体的には、入試の内申点に加点されたり、合否判定で優遇されるなど学校によって様々なので、志望校の情報を調べておくようにしましょう。
試験の結果には、2016年度から、合格・不合格に加え、「CSEスコア」を導入しています。CSE(Common Scale for English)スコアは、「読む、聞く、書く、話す」の4技能について、技能ごとにスコアを表示するシステム*。結果が数値ではっきり示されるので、苦手な部分がひと目で把握でき、どの技能を重点的に学習すればよいかという目標を立てやすくなります。
英検の資格を取ることが、自分の夢や目標に近づく第一歩になるかもしれません。検定の詳細や各級の過去問題は、ホームページで紹介されています。何級を受ければいいかわからない人には、級別に練習問題にチャレンジできる「プチ英検」もありますよ。まずは自分の受験級を定めるところから始めてみませんか?
*4級と5級は、「読む、聞く、話す」の3技能。
海外留学したい人におすすめ 世界150か国で通用する 国際基準の英語能力テスト
https://www.toefl-ibt.jp/
TOEFL(Test of English as a Foreign Language)テストは、アメリカの非営利団体Educational Testing Service(ETS)が1964年に始めた世界基準の英語能力測定試験です。最大のメリットは成績がグローバルに活用できること。テストのスコアは、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドをはじめ世界150か国、1万以上の大学などで、入学や奨学金、海外派遣の選考や単位認定における英語力を証明するものとして利用できます。日本国内でも多くの大学が入試の際の加点や得点換算、出願要件に導入しており、教員・公務員試験でも採用されています*。
一般にTOEFLテストは、「TOEFL iBT(Internet-based Test)テスト」のことを指します(日本では2006年から開始)。名前の通り、インターネットで配信される問題にコンピュータで答える方式で、「Reading(読む)」「Listening(聞く)」「Speaking(話す)」「Writing(書く)」の4技能を総合的に判定することによって、英語をどれだけ“知っているか”ではなく“使えるか”という実践的な能力を測ります。Speakingテストは回答した音声を録音し、Writingテストはタイピングで回答します。結果は、採点基準の公平性を保つためETSが導入している採点ネットワークを通じてスコア化され、SpeakingとWritingのスコアは、採点者の先入観による影響が出ないよう複数の採点者を配すると共に、AI(人工知能)を使った採点を併用する方法をとっています。
TOEFL iBTテストは、日本では土日を中心に月2~5回、年間40回以上実施されていて、テスト会場は全国に70か所以上あります。受けてみたい人は、日程と会場をチェックしよう!
*スコアの有効期間はテスト日から2年間。
2500校以上の高校が導入 大学入試に活用できる スコア型4技能検定
https://www.benesse.co.jp/gtec/
GTEC(Global Test of English Communication)は、ベネッセコーポレーションが運営する4技能をバランスよく測定できる検定です。小学生向けから社会人向けまで3つのタイプがありますが、ここでは大学入試に活用できる「中学生・高校生向けGTEC(以下、GTEC)」を取り上げます。
GTECは、大学入試で必要とされる英語力はもちろん、留学や高校卒業後にも使える英語力を測る検定として年に数回実施されています(基本は学校単位での申し込み*1)。GTECの年間延べ受験者数は約126万人(2018年度)。多くの中学や高校で利用されている理由は、学習指導要領に基づいて出題されるため、問題に馴染みやすいという点にあります。
結果は、4技能別にGTECスコアで表示され、それぞれ*2CEFR(セルファール)レベルも明記されます。GTECスコアは、国内の大学・短期大学の入試で活用できるだけでなく、海外の大学などでも利用可能です。どのように活用できるかは大学・短期大学ごとに設定されていますので、くわしくはホームページで確認してくださいね。
*1 パソコンを使って受験する「GTEC」CBT(Computer Based Test)タイプ(高2後半~高3レベル)は個人での申し込み。
*2 Common European Framework of Reference for Languagesの略。
言語の習得状況を評価するために考案された、全ての言語に共通する国際標準規格。A1、A2、B1、B2、C1、C2の6段階。
※英検®は、公益財団法人日本英語検定協会の登録商標です。
このコンテンツは、公益財団法人日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。