- 今月のタイムス特集②
新型コロナウイルスの影響により家で過ごす時間が長くなっている今、家庭で楽しめるサービスが増えています。全国の博物館や美術館も、自宅にいながらにして取り組める様々なコンテンツをインターネット上で公開しています。
今回紹介する「おうちミュージアム」では、こうした全国のミュージアムの取り組みがまとめられています。工作やクイズ、動画配信などの豊富なコンテンツを楽しんで、充実したおうち時間を過ごしましょう!
2020年3月、新型コロナウイルス対策のため、全国の小中学校・高校が長期休校となり、同じ頃から博物館なども臨時休館となりました。その状況の中で生まれた「おうちミュージアム」は、自宅で長い時間を過ごす子どもたちのために、ミュージアムをおうちで楽しめるアイデアをオンラインで提供しようという取り組みです。北海道博物館が「いくつかのミュージアムがまとまって発信することで、より多くの人へ活動を届けたい」という思いから、「おうちミュージアム」という名前をつけて全国のミュージアムに呼びかけました。
今では、博物館や美術館をはじめ、科学館や自然・生物系のセンターなど、全国44都道府県にある幅広い分野の施設が約240も参加しています(2021年10月1日現在)。北海道博物館のウェブサイト内にある「おうちミュージアム」のページでは、参加しているミュージアムが一覧で見られるようになっており、リンクからそれぞれのミュージアムに行くことができます。どのミュージアムもこれまでの活動をもとに工夫を凝らしたコンテンツを公開しています。いろいろ巡って、ミュージアムごとの特色を楽しみましょう!
北海道博物館「おうちミュージアム」
https://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/ouchi-museum/
参加ミュージアム一覧
https://www.hm.pref.hokkaido.lg.jp/ouchi-museum-list/
川口市立科学館では、「わくわくワーク」コーナーで、身近な材料で作れるおもちゃとそのしくみを紹介しています。また、家庭で簡単な実験ができる「サイエンスショー」や「ミニ実験ショー」コーナーもあります。その他、「インストラクター豆知識」「天文情報」などの解説コーナーもあり、様々な方法で科学について学べます。
http://www.kawaguchi.science.museum/kwg/gakushushien2020.html
川崎市岡本太郎美術館では、芸術家・岡本太郎の作品を自宅でも楽しめるコンテンツが公開されています。下絵を印刷して使う塗り絵や切り絵、ビーズで作る顔や紙粘土で作るミニチュア椅子といった豊富なコンテンツがあり、「太陽の塔」などの代表的な作品がモチーフとなっています。岡本太郎の世界を体感してみましょう!
https://www.taromuseum.jp/taroatelier.html
地質標本館では、地質についての4択クイズや○×クイズに挑戦できます。他にも画像パズルやクロスワードパズルなど、遊びながら地質のことを学べるコンテンツが数多く用意されていて、中でも一番人気があるのは鉱物写真を使った神経衰弱ゲームだそうです。地球の歴史やダイナミックな活動の様子を伝えるストーリー漫画も読んでみましょう。
https://www.gsj.jp/Muse/ouchi.html
切手の博物館では、切手に関する様々なクイズに挑戦できます。日本編が3つ、外国編と自由研究編が1つずつ公開されています。実際に発行された切手の絵柄や文字などを手がかりにしながらクイズに答えましょう。また、どの列を足しても15になるように1円~9円の切手を置く「切手で作る魔方陣」など、古切手で遊べるキットを取り寄せることもできます。
https://kitte-museum.jp/koukyu/ouchimuseum/
最も多いのが、写真や文章、動画を用いて代表的な展示品などをわかりやすく解説、紹介してくれる館です。興味のあることを詳しく学んだり、新しいことを知ったりしましょう。
仙台市博物館では、仙台市と宮城県をPRするために結成された伊達武将隊とのコラボ動画が配信されています。伊達武将隊が仙台市博物館で発見する数々の資料について、学芸員が解説を交えて紹介してくれます。動画を見て、伊達武将隊と一緒に伊達政宗や仙台藩の歴史を楽しく学びましょう!
https://www.city.sendai.jp/museum/tenji/ouchitenrankai_1.html
沖縄県立博物館・美術館(おきみゅー)では、沖縄各地で収録された伝承話がアニメ動画で配信されています。動画の再生パターンは4種類(話者の語り、方言、共通語、音声記号)。同じ民話を“しまくとぅば”(沖縄の島々で伝えられてきた琉球方言)や共通語といった違った語り口で楽しむことができます。
https://okimu.jp/museum/minwa/
塗り絵や切り絵、ペーパークラフトを楽しめる下絵や型紙を配布していたり、身近にある材料で作れるおもちゃを紹介していたりする館が多いです。作って遊び、楽しみながら学びましょう。
展示品などについてのクイズやパズルに挑戦できる館もたくさんあります。サイト内からヒントを探したり、自分で調べてみたりしながら解いていき、様々な知識を身につけましょう。
おうちミュージアム以外にも、芸術作品を手軽に鑑賞できるようなウェブサイトやアプリが多くあります。それらの中から特におすすめの無料アプリを2つ紹介します。バーチャルミュージアムを堪能しましょう。
国立文化財機構の4つの国立博物館(東京国立博物館、京都国立博物館、 奈良国立博物館、九州国立博物館)と研究所(奈良文化財研究所)が所蔵する国宝・重要文化財を鑑賞できます。詳しい解説もついており、縄文時代の土偶から近代の油彩画まで、幅広い分野の優れた文化財を新しいかたちで楽しめますよ!
https://emuseum.nich.go.jp/
世界80か国、2000を超える美術館や博物館などが収蔵している3万点以上の芸術作品や文化遺産を鑑賞できます。作品ごとの鑑賞はもちろん、色や素材から作品を探したり、ストリートビューを用いて世界各国の美術館を訪れたり、アートに関するゲームを楽しんだり、様々な機能が満載です。世界中のアートを巡る旅に出かけましょう!
https://artsandculture.google.com/