- 今月のタイムス特集①
『関塾タイムス』では、これまで3回にわたって、実際に関塾の教室を訪問して関塾の先生にじっくりお話を伺う企画を行ってきました。今回はその第4弾です。
どうして塾を始めようと思ったのか、学生時代のエピソードや受験勉強の思い出、教室の取り組みなど、いろいろなお話を伺ってきました。勉強に打ち込む皆さんの背中を押してくれる力強いメッセージをしっかりと受け取ってくださいね!
今回は、京都府木津川市にあるDr.関塾木津本町校にお邪魔して、木津本町校・木津州見台校の大倉塾頭と南教室長にお話を伺いました。地元で生まれ育ち、小学校の同級生というお2人は息もぴったり。楽しくお話しくださる中にも、関塾生への熱い思いが伝わってきました。
――2つの教室を運営されていますね。塾を始められたきっかけを教えてください。
大倉先生「先に開校したのは木津州見台校です。塾を開こうと思ったのは、木津川市の人口が増えていることに注目したのがきっかけでした。私の父は地元で30年以上自営業をしているのですが、その仕事のつながりで、毎年、市内の小中学校、高校に入学する生徒の数を知ることができたのです。それを見ると、年々すごい勢いで子どもが増えているな、と。それなら、教育的な事業を始めたらうまくいくのではないかと思いました。当時、私は父とは別の自営業をしていたのですが、なかなかうまくいかなくて、何か新しい事業をと考えていたところでした。もともと子どもは好きでしたし、教育に興味もあったので“やってみよう”と。」
――南先生はどういう経緯で教室長になられたのですか?
南先生「もともと私は別の学習塾に勤務していました。自宅が木津州見台校に近かったのと、塾頭が幼なじみという気安さから、ランニング中などに時々立ち寄っていたんです。塾頭の相談に乗ったり、私なりにアドバイスしたりしていたのがそもそもの始まりですね。」
大倉先生「私は塾の運営は全くの初心者。始めた当初はわからないことばかりで、まさに手探り状態でした。それで、経験者の南先生にいろいろと相談に乗ってもらっていたんです。
木津州見台校は小学校のすぐ近くという利点もあり、開校して半年で約80人の生徒が集まり、すぐに2校目をという話になりました。所有する物件にちょうど空きが出たこともあって、本格的に開校準備を進めることに。それと同じ頃に、南先生が勤めていた学習塾を退職し、“新しい教室の教室長をやろうか”と申し出てくれました。それで2011年11月、木津本町校を開校しました。2校とも開校して10年以上になり、地域の皆さんとの絆がますます強くなっているなと感じています。」
――南先生はどうして塾の仕事に就こうと思われたのですか?
南先生「大学3年生になって就職活動を始めた時、“これがやりたい”と思えるものがありませんでした。でも、家庭教師のアルバイトをした経験から、子どもに勉強を教えるのはおもしろいなと感じていて、学習塾の先生になるのもいいかな、と。」
大倉先生「木津州見台校を始めた時は、生徒がたくさん入ってくれてとても嬉しかったのですが、私は勉強を教えた経験がないし、講師の管理などにも不慣れで四苦八苦していました。そこに経験豊富な南先生が教室長として来てくれて、木津本町校を一緒にスタートできたことは、とても心強かったですね。」
南先生「これまでに身につけたノウハウを活かせる教室長という仕事は、やりがいがあって楽しいです。塾頭は私を信頼して全面的に任せてくれるので、自由にのびのびとやらせてもらっています。」
開校当初は手探り状態。経験者の南先生が教室長になってくれて、とても心強かったですね。(大倉先生)
――木津川市の子どもの数が増えていることが塾を始めるきっかけになったということですが、木津川市はどのような所ですか?
大倉先生「京都府の最南端に位置し、南は奈良市と接しています。奈良市内の他、京都市内や大阪市内、滋賀県、三重県、和歌山県とも国道など主要な道路でつながっていて、古くからの交通の要所です。鉄道の路線も、京都の中心部や大阪、奈良方面と結ばれていて、交通の便がとてもいい所なんですよ。なので、全国的に人口が減少傾向にある中で、木津川市は40年以上も増加し続けています。市内の人口と世帯数の増加率は、京都府内の全ての市町村の中で、*第1位です。こうした背景が塾を始める時の大きな“追い風”になりました。」
*令和2年国勢調査に係る京都府の人口速報集計の結果(前回の平成27年国勢調査との比較)。
――先生方の勉学時代の思い出や、学びについての考えをお聞かせください。
大倉先生「学生時代、興味があるものは自分から進んで勉強しました。英語が好きだったので高校時代には英会話教室にも通って……。英語の成績は良かったですね。
両親によく言われたのは“勉強しなさい”より “人付き合いを大切にしなさい”ということ。この教えのおかげで、いろいろなタイプの人や初対面の人ともすぐ打ち解けられるのが私の特技です(笑)。生徒たちに対しても壁をつくらず、できるだけ近い距離で接するようにしています。
こうした人との付き合い方やコミュニケーション力を磨くのも、広い意味での“学び”です。学校の勉強はもちろん大切ですが、授業を聞いたり教科書を読んだりするだけでは学べないこともあります。今のうちにいろいろなことに挑戦し、その体験から様々な学びを得てほしいですね。」
南先生「私は、中学2年から高校3年まで勉強を教えてもらった家庭教師に大きな影響を受けました。8歳年上で、学校の勉強以外のこともたくさん教わりました。“近い将来、日本は格差社会になるから、今のうちにしっかり勉強しておけよ”――20年も前にこんなことを話していましたね。彼の影響で家庭教師のアルバイトを始め、人に教えることのおもしろさを知れたので、進むべき道を示してくれた恩師と言えるのかもしれません。“学歴とは努力の証明書だ”とも言っていて、とても印象に残っています。」
家庭教師の“学歴は努力の証明書”という言葉がとても印象に残っています。(南先生)
――『関塾タイムス』7月号の特集記事「合格体験記」では、木津本町校・木津州見台校から3人の体験記を紹介しました。生徒に寄り添う指導が好結果につながったのだと思いますが、指導するうえで気をつけていらっしゃるのはどんなことですか?
南先生「もちろん厳しくすることも必要ですが、ピリピリした重苦しい雰囲気にならないように気をつけています。生徒はもちろん、講師の先生にも楽しく過ごしてもらうのが一番ですから。」
大倉先生「コロナ禍の前には、講師の先生とバーベキューをしたり、中学3年の生徒たちとユニバーサル・スタジオ・ジャパンに行ったりもしました。塾・講師・生徒間のコミュニケーションがうまくとれていると、塾全体の雰囲気が明るくなり、学習意欲の向上につながって、良い結果が生まれるのではないでしょうか。」
南先生「この仕事をしていて何より嬉しいのは、生徒が志望校に合格した時です。7月号に掲載されたのは高校に合格した生徒ですが、大学受験にもしっかり対応できるのが当教室の強みです。中学から高校にかけて続けて通ってくれる生徒も多いですね。この強みをさらに強化して、来年も合格体験記に掲載してもらえるように生徒たちと一緒にがんばります!」
大倉先生「受験が終わると、教室の目につく場所に大学入試の合格実績を貼り出すのですが、これは大学受験に対応できる講師陣が揃っていますよ、というアピールの場になっています。受験システムにも詳しいので、一人ひとりに応じた受験対策のアドバイスができます。どんなことでも安心して相談してもらえていると思います。」
南先生「受験生の皆さんは、これから本番まで気を抜けない日々が続きます。振り返ると私が受験生だった時は、“今日は〇時間勉強する!”と目標を定めて取り組んでいました。皆さんもこれからが踏ん張りどころと覚悟を決めて、志望校合格を目指してください。」
――“withコロナ時代”を見据えた新たな取り組みを教えてください。
大倉先生「タブレットを取り入れたオンライン授業の導入を検討しています。今はYouTubeを見るのが遊びのひとつで、動画を見ることに抵抗のない生徒が多いので、対面授業より受け入れやすいかも、と。ただ、やる気が出ない生徒に対して、受け身型のオンライン授業は果たして効果があるのか、集中力が維持できるのかなど、心配な部分もあります。メリットとデメリットを考えながら、うまい具合に取り入れていきたいですね。」
――最後に、全国の関塾生に向けてメッセージをお願いします。
南先生「少し厳しいことを言うと、最近の受験生は無難な選択をする生徒が多いと感じます。大学までエスカレーター式の学校や、確実に合格できる学校を志望する傾向が強いですね。もちろんそれも選択肢のひとつですが、できれば勇気を持って、少し上の学校を目指してチャレンジしてほしい。失敗したらどうしようと思う気持ちはわかります。でも、今なら周りがフォローしてくれますし、失敗したとしてもそれを糧に大きく成長できるはずです。子どもの時にそうした経験をしていれば、大人になって壁にぶつかっても自分で乗り越えられる“打たれ強い”人になれるでしょう。目標に向かってがんばる皆さんを、私たち関塾の先生は全力でサポートしますよ!」
大倉先生「焦らず、やるべきことを着実にやれば、学力は間違いなく伸びます。新型コロナウイルスの影響でまだ不安な毎日が続きますが、私たちと一緒に乗り越えていきましょう!」