- 特集①
いよいよ始まる新年度を前に心をはずませている関塾生も多いのではないでしょうか? このスタートの時期に “自分らしい”ノートづくりのコツを身につけましょう。勉強になくてはならないパートナーとも言えるノートを、ちょっとした工夫でワンランクアップさせる方法を紹介します。いろいろなアイデアを試して、あなただけのノートづくりにチャレンジしてくださいね!
皆さんはノートをとる目的について考えたことがありますか?
「ノートは私の2つめの脳です」――ある大学生はこんな風に言いました。「授業を聞き黒板を見ているだけだと、先生の話は頭を素通りしていきます。授業で学んだ内容を整理し、脳に書き込むようなつもりでノートに書き、それを見ることで初めて、しっかり理解できるのです」と。
ノートは授業の振り返りに欠かせないものです。ノートをまとめる効果は、「書くのが3割、読み返すのが7割」と考えましょう。自分にとってわかりやすいように書いたノートを、何度も読み返すことがノートの有効な使い方。この使い方をきちんと実践するには、ノートを読み返す日を決めておくのがおすすめ。ノートを書いたら「1週間後に読み返す」と決めて日付をふせんに記入しノートに貼る、毎週月曜日はノートを読み返す日にするなど、自分なりのルールで実行してみましょう。
1日に何をどれだけ勉強したかを記録します。細かい内容まで書くと時間と手間がかかるので、まずは時間を記録することから始めましょう。
勉強開始とともにタイマーをオン。勉強のひと区切りがついたら(例えば、漢字の書き取り○語、英単語の暗記△ワードなど)タイマーを止め、かかった時間をメモします(国語20分、英語30分など)。これを繰り返して1日の終わりに集計し、各科目の勉強時間とすべてを合計した時間をノートに書き込みます。これを続けると自分の頑張りが数字で見えてモチベーションがアップ。どの科目にどれくらいの時間がかかっているのかも一目瞭然に。
ノートを書き進めていくと、どこに何の情報を書いたかわからなくなり、知りたい内容を書いたページを探すのに時間がかかってしまった……こんなことが起こりがち。そこで役立つのがインデックスシールです。
例えば、社会のノートで「鎌倉幕府についてまとめたページを見直したい」と思った時、平安・鎌倉・室町・安土桃山・江戸……などの時代ごとにインデックスシールをつけておくと、知りたい情報が書かれたページをすぐ見つけることができ、時短になりますよ。お気に入りのふせんを使ってもOKです。
ノートの表紙や表紙裏、最初のページなどに目次のページをつくるのも、知りたいページに早く到達できる方法のひとつ。ノートを使い始める時、全ページにページ番号を書き込んでおき、ページが埋まったら目次ページを開いて、
「日本国憲法の基本的人権…………p4」という風に書き足していきます。こうしておくと、目次ページから目当てのページをすばやく探し当てることができます。
同じ勉強をするのなら、やっぱり楽しんでやりたいですよね。そこで提案したいのが「ビンゴカード法」。
ノートにタテヨコ同じ数のマス目を書き、真ん中のマスにはシールなどを貼ります。その他のマスには、1マスごとに、やらなければいけない課題などを書き込み、クリアできたらシールを貼ったり、色ペンで印をつけたりします。ビンゴゲームの要領で、タテヨコナナメの1列を揃えることを目指して、ひとつずつ楽しくクリアしていきましょう。課題は1回30分くらいでできるものを目安にするといいですよ
定期テストの前には自分で作戦を立て、テストの目標や方針などを整理してノートに記入しましょう。目標設定で大事なのは、「国語を頑張る」といった曖昧な表現は避け、「国語のテストで90点をとる」など明確な数字を示すこと。目標を具体的にすると、達成できたかどうかをはっきりと判断できるからです。
テストに臨む前に方針も考えておきます。いつ頃からテスト勉強を始めるのか、苦手な科目はどこを重点的に勉強するのか、「国語のテストは漢字の配点が高いので繰り返し練習しておく」など、これまでの傾向や反省点などを踏まえて考えるのもひとつの方法です。
テストや模試が終わったら、その点数を記録しておくことがおすすめ。毎回忘れずに記録して、次回の目標点の設定や自分の成績の把握に役立てましょう。表でまとめてもOKですが、折れ線グラフにすると成績の推移がひと目でわかります。
教科書を何度も読み、問題を繰り返し解いてもなかなか頭に入らない、何度も間違えてしまう――こんな時ありますよね?そんな苦手をまとめた「自分専用苦手克服ノート」をつくっておくのはいかがですか?
全科目を1冊のノートにまとめ、テストや模試の前、ちょっとした隙間時間などに何度も読み返します。「このノートをマスターすれば苦手が克服できる!」という状態にしておくと、クリアできた時、大きな自信になりますよ。
ハビットトラッカー(habit tracker)とは、直訳すると「habit(習慣)」を「tracker(追跡)」すること。習慣にしたいことを達成できたらカレンダーなどに印をつけるという方法で習慣化をサポートするツールです。
習慣にしたい項目は、「1日30分本を読む」「通学の電車内で参考書を読む」「翌日の予習をする」など何でも構いません。「1日1回は勉強机の前に座る」といった比較的簡単なものから始めてもいいでしょう。印をつけることでやった分が“見える化”でき、達成感が得られるので挫折しにくいというメリットがあります。
1週間、1か月……と一定期間続けたら達成具合を確認しましょう。印をたくさんつけることができたら「私、頑張った!」とテンションが上がり、もっと頑張ろうとやる気がわいてきます。
皆さんには好きな言葉がありますか? 本の中で感動したフレーズや著名人の名言・格言、先生や友達、家族からの応援メッセージなど、自分が元気になるひと言をノートや手帳に書いておくのも、モチベーションアップに効果的です。
勉強で疲れた時、心がくじけそうな時、テスト前で不安な時などに読むと「よし、頑張るぞ!」と力がわいてくるはず。心に残る言葉に出会ったら、忘れないうちに控えておきましょう。
学習効率とモチベーションアップに役立つノートづくりの一例を紹介します。