2020年4月号 特集②
「くもろぐ」は、スマートフォンやタブレットのカメラで撮った雲の写真を読み込ませると、KMOMY(くもみ)が雲の形や状態を判定してくれるアプリ。KMOMYとは、アプリに搭載している雲識別AI(人工知能)のこと。気になる雲を見つけたら、「この雲なあに?」と聞いてみよう!雲の種類や雲と天気の関係など、気象について楽しく学べるコンテンツも満載です。
ココに注目
アプリ開発のきっかけは、航海士の負担を軽くするため
このアプリは、神戸大学大学院システム情報学研究科と海事科学研究科、および衛星通信事業を手がける企業などが共同で開発。きっかけは、航海士が気象観測をする際の負担を軽くしたいということでした。雲の観測は航海士の目視に頼っていて、知識や経験によって正確性に差があることから、その差をなくし、航海士の負担軽減を考える中でアイデアがうまれたそうです。将来的には、船舶気象観測の自動化にも役立てたいとしています。
「Biome(バイオーム)」は、動物や植物の写真を送ると、すぐに名前を判別してくれるアプリです。日本国内のほぼ全種(約7万種)もの動植物のデータを収載し、投稿された写真の撮影場所や時期などから、確率の高い種の候補を瞬時に判定します。また、投稿したいきものの“レア度”によってポイントが獲得できたり、条件をクリアすればバッヂがもらえたり……。ゲーム感覚でいきものの知識が身に付きますよ。
ココに注目
生物の分布情報のデータベース化を目指す京大発ベンチャー企業が開発
アプリを開発したのは、世界の生物の分布情報のデータベース化に取り組む京都大学発のベンチャー企業「バイオーム」。同社は、生物の生息分布情報を収集し、世界的な“生物ビッグデータ”を構築して情報を提供するビジネスを展開しています。アプリを活用しながら、生物の分布状況に関する情報を広く集め、釣り愛好家向けの釣り場情報や、獣害や絶滅危惧種の調査、害虫の発生予測などにも役立てたい考えです。「このアプリを使っていきものに関心を持ち、環境保全を身近な問題として考えてほしい」としています。
スマートフォンやタブレットを空にかざすと、星座や星の名前、位置を教えてくれるアプリです。カメラが捉えた風景に星座や星が重なって表示され、星座の他、太陽系の惑星や恒星の名前と位置を知ることもできます。惑星や星座を指定して、どの方角にあるかを探すことも可能で、見たい星を簡単に見つけられます。スマホでいつでも手軽にできる天体観測、始めてみませんか?
ココに注目
AR(拡張現実)技術で、“いつでもプラネタリウム体験”が可能に
「SkyView Free」は、AR機能を利用しています。ARとは「Augmented Reality」の略で、一般に「拡張現実」と訳されるもの。現実の風景に、バーチャル(仮想)のデジタル情報を合成した映像を、ディスプレイにリアルタイムで表示できる技術で、最近ではビジネスからエンターテインメントまで、いろいろな分野で活用されています。ARを活用したものでよく知られているのが、スマホ用ゲーム「ポケモンGO」。2016年に世界中で一大ブームを巻き起こしました。ARを使うと、スマホカメラに写った実際の風景にポケモンが現れ、ポケモンの世界をリアルに感じられることから大人気となりました。