>>バックナンバーはこちら

image

わたしの勉学時代

image

image

     

柔道に夢中だった小学校時代

昨年、東京新聞で「私の東京物語」という連載を執筆しました。私はカメラが趣味で、撮った写真を加工するのも好きです。連載中は、子どもの頃の写真と今の姿を並べて加工するなどしながら、実家周辺のことなどいろいろと思い出したものです。私が育ったのは東京の池ノ上という所です。実家は生地の小売をしていました。ほとんど毎日、朝から晩まで休みなく働いていた父とは、遊ぶ機会がほとんどありませんでした。一度キャッチボールの相手をしてくれた記憶があるだけです。親が多忙であることについては、子ども心に「そういうものだ」と納得していました。子どもの頃は柔道を習っていました。小学校入学前に交通事故に遭ったことがきっかけです。手術した足のリハビリのために*1講道館へ通い始めました。稽古はとても厳しかったことを覚えています。冬休みの早朝には寒稽古があったのですが、その皆勤賞をもらった時の写真が残っていて「意外にも真面目にやっていたのだな」と感心しました。講道館までは現在のJR水道橋駅を出て徒歩8分くらいだったでしょうか。
小さな子どもにとっては、わりと長い道のりでした。真っ暗で寒い冬の早朝、電車に乗って通っていたのですから、つらかったでしょうし、きっとサボりたかったことでしょう。
現在は体重別に階級が分かれている柔道ですが、当時の大会は無差別でした。だからこそ「たとえ小さな体であっても、技を駆使すれば大きな相手を制することができる」ところが何よりも魅力だったのです。ちなみに、当時の私は*2 小内刈という足技が得意でした。
*1「柔道の父」嘉納治五郎が興した柔道の総本山。
*2相手のかかとあたりを足ですくうようにして刈って倒す技。

 

image

荷物の積み下ろしなど、父の仕事を少し手伝っていました。子どもにとっては少し負担
でしたが、子ども心に休まず働く父を偉えらいなと思っていました。

     
     
     

自信をもらった先生の一言

小学校時代、勉強が得意だったという記憶はありません。小学5年生の時だと思いますが、とてもショックな出来事がありました。通知表の成績がオール4で、5が1つもなかったのです。「特別評価される学力ではないのだな」と子ども心に妙な気持ちになったものです。
中学生になると、勉強のコツのようなものをつかめるようになりました。
例えば、国語の作文であれば最後に大人びた、ちょっとだけ批判めいた一文を加えると、先生は高く評価してくださいました。「こう書けば先生が喜んでくれる」ポイントを心得ていたのです。また、勉強に対する意識が少し変化した出来事もありました。
ある時、数学担当の先生が私のいない所で「三木は勉強ができる」と言ったそうです。
そのことを友人から伝え聞いた時はとても驚きましたが、同時に自信も湧いてきました。
思いもしなかったことを間接的に耳にしたことで、「これはお世辞とは違う」と思えたからです。それまでは数学は得意ではなかったのですが、やる気を得たことを覚えています。
ひょっとすると、先生の企みだったのかもしれませんね(笑)。
実際、私も教える立場になって、学生を奮い立たせるため間接的にメッセージが伝わるようにすることがあります。
やる気を上手に引き出してあげることも、教える側には必要だと実感しています。

 

image

弟と一緒に写る中学校時代の三木先生。

     
     
     

新聞のコラムに焦燥感を抱く

中学生の頃だったと思うのですが、いわゆる“社会派”ドラマが流行っていました。
劇中では、法廷で争うシーンや、正義を貫くために奮闘する弁護士の姿などがよく描かれるわけです。それらを見ているうちに、何となくですが「弁護士を目指そう」という思いを抱くようになりました。高校は自由な校風だと聞いて東京都立大学附属高等学校(現在の東京都立桜修館中等教育学校)を受験しました。高校時代は野球部の活動に熱中し、気付けば3年生の9月になっていました。受験勉強は完全に出遅れです。
最初は正直「浪人してもいいや」という気分でいたのですが、ふと目にした新聞で「現役生と浪人生とでは、現役生のほうが大学入学後は成績が伸びる」という一説を紹介したコラムがあり、びっくりしました。
「これはいけない!」と焦ったのですが、その時すでに本番3か月前。
「今からがんばって準備が間に合うとすれば、私立大学だろう。入試は得意な国語、英語、世界史で戦えるほうがいい」と考え、志望校を探しました。 本番までとにかく時間がなかったので、世界史は『世界史』のテキストの索引を丸暗記。英語も『試験にでる英単語』(青春出版社)の内容をすべて頭に入れました。まさに荒療治です。
こんな調子だったので、今になって、受験のための勉強しかしてこなかったことを残念に思っています。テクニックばかり下手に身につけてしまったという実感があります。
苦手だった数学も興味を持って取り組めていたら、自分の可能性を広げられたかもしれません。皆さんには、できれば私と同じ後悔はしてほしくないので、理系科目が苦手であっても果敢に挑戦してほしいと思います。青山学院大学の理工学部では、男女問わず皆いきいきと学んでいて、就職率も抜群なのですよ。
やはり専門的な知識や技術を有していると、社会人になった後も強みであり評価されると確信しています。

 

image

弟と一緒に写る中学校時代の三木先生。

image

写真の加工が趣味という三木先生が、大学院
修了時の40年前と現在のご自身の姿を合成し
た写真。

     
     

主権者が税金の使い道を決める

「弁護士になる」目標を実現すべく、中央大学法学部に進学しました。私の専門は税法ですが、進学当時は税についてほとんど知りませんでした。専門を選ぶきっかけは、税務調査についての講演です。強引な手法での調査が、特定の団体に対して行われているという話を聞き、衝撃を受けたことを覚えています。この時から「税金の問題を、人権の観点から研究する必要があるのではないか」と考えるようになりました。そこで、司法試験への挑戦は少しの間休むことにして、大学院へ進むための試験勉強を始めたのです。
この時、競争相手が少ないという理由でドイツ語での受験を選択したのですが、これが後の研究にも役立つこととなりました。
私が専門とする税金は、現在も制度上の問題をたくさん抱えています。
特に日本の税制は、私が政府税制調査会専門家委員会の委員になってだいぶ手を入れましたが、まだまだ整備が遅れています。
皆さんにとって最も身近な税は消費税ですね。その消費税が一体何に使われているかを知っていますか? 
消費税に限らず、税金を納めている日本人の多くが、その使い道を知りません。関心が薄いからです。
日本には「国が勝手に税金を取って、勝手に使い道を決めている」という感覚の人がたくさんいます。しかし、正しくは、私たち主権者である国民が「資金を出し合って国家を運営している」のです。資本主義社会ではどうしても格差が生まれてしまいます。
国家は、その格差を制度やサービス等によって埋め、社会を安定させる必要があります。そのための資金が税金です。
私たち国民は、税金を使ってどのような社会にしてほしいかを考え、その願いを実現してくれそうな立候補者に投票することで、国の運営に参加します。選挙に行かないということは、「税金の使い方を決める権利を放棄している」ということなのです。
皆さんも「自分は主権者だ」という自覚を持ち、いずれ手にする選挙権をしっかりと行使するためにも、ぜひ税に関心を向けていただきたいと思います。


英語は“世界共通語”に

これから先、英語は必ず“世界共通語”になります。皆さんが日本から出なくても、話せて当然の言語になるでしょう。
会社の重要な会議はすべて英語で行われ、外国からやって来た観光客を英語でもてなす機会も増えます。コンビニでも免税サービスが始まっていますので、アルバイトといえども英語は必要なスキルです。誰もが英語を使いこなす時代、「苦手だから、なるべく勉強しなくていいように」と避けていては必ず後悔します。私は大学院を受験する際、英語を避けるためにドイツ語を試験科目として選びました。ドイツ語はもちろん研究に役立ちましたが、英語を疎かにしたことはとても後悔しています。
国際的な会議では、ドイツ語があまり通じないからです。
私のようにならないためにも、英語から逃げずに、しっかりと身につけて自分の強みにしてくださいね!

青山スタンダード

青山学院大学では、これまでの教養教育を抜本的に改革し、専門教育との関連を強く意識した教育システム「青山スタンダード」を実施 。学部・学科の枠を越え幅広い知識・技能を身につけるための「青山スタンダード科目」を展開しています。例えば、全学部の1年生を対象にした「フレッシャーズ・セミナー」は少人数のゼミ方式で行われ、大学で必要なスキルの基礎を学びます。他学部の学生同士の交流を通して、様々な分野の学びに触れることで柔軟な発想を育むことができる点も長所です。また「国際ビジネスと海外事情」という科目では、商社等の海外拠点での実体験がある講師が、国際ビジネスに必要な知識や考え方をレクチャーしてくれます。時代のニーズに合わせて学生の力を伸ばす、魅力的なシステムですね。


 

image

国の登録有形文化財に指定されている青山
キャンパスの間島記念館。歴史ある青山学
院大学では、学生の能力を伸ばすための教
育環境を整えています。

関塾に通いたい方

関塾で働きたい方

バックナンバー

協力校

Page Top