10月27日から11月9日までの2週間は読書週間です。夜が長く過ごしやすい気候の秋は、読書と相性が良いと言われています。そこで今回は、中学校・高校の国語科の入試問題で多く出題された作品と著者を紹介します。もし入試本番で一度でも読んだことのある作品や著者の文章が出れば、読みやすく、解きやすくなります。興味のある作品を探して、ぜひ読んでみてくださいね!
入試で出題される作品には、選ばれやすい著者やシリーズがあり、現代文では前年の夏頃までに出版された本が多くなっています。直近の、全国の私国立中学入試3年度分(2021~2023年度)と公立高校入試5年度分(2019~2023年度)で多く出題された著者やシリーズを確認し、2023年に出版されているものがあれば、手にとってみましょう!
小学生~高校生が主人公で、家族や友情を扱った作品が多いです。短編集も選ばれやすい傾向があります。
中学入試
1位 青山 美智子 (3年度分全てで出題)
寺地 はるな (3年度分全てで出題)
2位 瀬尾 まいこ
村山 由佳
3位 あさの あつこ
高校入試
1位 寺地 はるな
2位 額賀 澪
3位 瀧羽 麻子 (5年度中4年分で出題)
4位 重松 清
5位 天沢 夏月
鈴村 ふみ
子ども向けの新書シリーズ、ちくまプリマー新書や岩波ジュニア新書から多く選ばれる傾向にあります。
中学入試
1位 伊藤 亜紗 (3年度分全てで出題)
2位 中村 桃子
藤田 正勝
3位 稲垣 栄洋 (3年度分全てで出題)
田中 修
高校入試
1位 細川 英雄
2位 稲垣 栄洋 (5年度中4年分で出題)
3位 永田 和宏
4位 河野 哲也
5位 藤田 正勝
高校入試の古文では教訓が含まれる説話作品、漢文では歴史上の人物の言行や逸話を記した作品が多く選ばれています。古典はあらかじめ話の内容を知っていると解ける問題もあるので、現代語訳を読むだけでも有利になります。
古文
1位 『十訓抄』…作者未詳。鎌倉時代の教訓説話集。
2位 『徒然草』…吉田兼好著。鎌倉時代の随筆。
3位 『沙石集』…無住編。鎌倉時代の仏教説話集。
4位 『枕草子』…清少納言著。平安時代の随筆。
5位 『古今著聞集』…橘成季編。鎌倉時代の世俗説話集。
漢文
1位 『論語』…中国春秋時代の思想家・孔子の言葉を弟子たちが記したもの。
2位 『世説新語』…中国魏晋時代の名士たちの言行や逸話を集めたもの。
3位 『荘子』…中国戦国時代の思想家・荘子が記したもの。
1位
『神さまのいうとおり』
谷 瑞恵 著/幻冬舎
父が仕事を辞め、曾祖母の住む田舎に引っ越してきた高校生の友梨。バラバラな家族の問題が、曾祖母の“暮らしの知恵”昔からの言い伝えや風習を通して解決していく様子がオムニバス形式で綴られます。
2位
『夏の体温』
瀬尾 まいこ 著/双葉社
「出会い」がもたらす「奇跡」を描いた3編を収録した作品集。表題作の『夏の体温』では、夏休みなのに入院中で退屈している小学3年生の瑛介のもとに同い年の男子が検査入院、2泊3日の友情の物語。
2位
『雪のなまえ』
村山 由佳 著/徳間書店
いじめにあい、学校に行けなくなった小学5年生の雪乃は、父と共に曾祖父母が住む長野で暮らし始める。長野の大自然、地元の人々、同級生大輝との出会いによって自分の居場所を見つけ、少しずつ心の扉を開いていきます。
3位
『犬がいた季節』伊吹 有喜 著/双葉社
『博士の長靴』瀧羽 麻子 著/ポプラ社
『タイムマシンに乗れないぼくたち』寺地 はるな 著/文芸春秋
『水を縫う』寺地 はるな 著/集英社
1位
『「自分らしさ」と日本語』
中村 桃子 著/ちくまプリマー新書
なぜ小中学生女子は「わたし」ではなく「うち」と言うのか? 言葉の背後にある社会の規範や価値観を解き明かす社会言語学の知見から、言葉で「自分」を表現するとはどういうことかを考えていきます。
1位
『はじめての哲学』
藤田 正勝 著/岩波ジュニア新書
なんのために生きるのか? と考える自分とはなんだろう? 哲学の問いは、いつも日常の中から生まれた。古代から現代まで、人間が考え挑み続けてきた根源的な問いの数々を、優しい言葉で一から解きほぐします。ようこそ、哲学へ。
2位
『植物のいのち からだを守り、子孫につなぐ驚きのしくみ』田中 修 著/中公新書
『いつもの言葉を哲学する』古田 徹也 著/朝日新書
『生物はなぜ死ぬのか』小林 武彦 著/講談社現代新書
3位
『勉強する気はなぜ起こらないのか』外山 美樹 著/ちくまプリマー新書
『手の倫理』伊藤 亜紗 著/講談社選書メチエ
1位
『水を縫う』
寺地 はるな 著/集英社
主人公の清澄は高校1年生。学校で手芸好きをからかわれ、周囲から浮いているが、姉のため、ウェディングドレスを手作りすると宣言します。世の中の〈普通〉を踏み越えていく、清々しい家族小説。
2位
『ヨンケイ!!』
天沢 夏月 著/ポプラ社
渚台高校陸上部の男子4人は4×100リレー(四継)に挑むことになるが、人間関係はサイアク。しかし、本音でぶつかり合ううちにチームに変化が――。4人のバトンが繋がる時、感動に胸が熱くなる、青春スポーツ小説!
2位
『櫓太鼓がきこえる』
鈴村 ふみ 著/集英社
知られざる角界の裏方「呼出」に光を当てる新しい相撲小説!17歳の篤は高校を中退し、相撲部屋に呼出見習いとして入門。兄弟子力士たちの焦りや葛藤を感じながら、「呼出」の仕事に就いた自分を見つめ直します。
2位
『駒音高く』
佐川 光晴 著/実業之日本社
プロを志す中学生、引退間際の棋士、将棋会館の清掃員……将棋の世界で繰り広げられる様々な人間模様を描いた短編物語集。青春・家族小説の名手が温かなまなざしで、勝負の世界で歩を進める7人の青春を描きます。
3位
『風に恋う』額賀 澪 著/文藝春秋
『ブロードキャスト』湊 かなえ 著/KADOKAWA
『雪のなまえ』村山 由佳 著/徳間書店
1位
『対話をデザインする 伝わるとはどういうことか』
細川 英雄 著/ちくま新書
対話の基本は「あなた自身にしか話せないこと」を見つけることです。自分の「テーマ」を発見することから始めて、話題設定、他者との関わり、納得と合意の形成まで、対話の根本を考えます。
2位
『知の体力』
永田 和宏 著/新潮新書
誰も「知力」は貸してくれない。細胞生物学者にして歌人でもある著者が、これから学ぶ人、一生学び続けたい人たちに優しく語りかけます。自力で生きぬくための本物の「知」の鍛錬法。
3位
『知的創造の条件 AI的思考を超えるヒント』
吉見 俊哉 著/筑摩書房
何が知的創造を可能にするのか? 批判的読書や「問い」の発見など個人が知的創造を実現するための方法論、大学や図書館など知的コモンズの未来像を示し、AI的思考の限界を突破するための条件を論じます。
4位
『雑草はなぜそこに生えているのか』稲垣 栄洋 著/ちくまプリマー新書
『人は語り続けるとき、考えていない 対話と思考の哲学』河野 哲也 著/岩波書店
『はじめての哲学』藤田 正勝 著/岩波ジュニア新書
『ゴリラからの警告 「人間社会、ここがおかしい」』山極 寿一 著/毎日新聞出版
『2050年の地球を予測する 科学でわかる環境の未来』伊勢 武史 著/ちくまプリマー新書
『科学と非科学 その正体を探る』中屋敷 均 著/講談社現代新書
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