関塾が発行する親子で楽しむ教育情報誌、関塾タイムス

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2020年2月号 特集①

重大ニュース1

新元号は「令和」に

 4月1日、平成に代わる新しい元号が「令和」と発表されました。出典は、奈良時代に完成した日本に現存する最古の歌集『万葉集』に収録されている漢文「初春の令月にして 気淑く風和ぎ 梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫らす」で、元号が日本の古典から引用されるのは初めてです。令和は、最初の元号「大化」から数えて248番目となります。この発表から1か月後の5月1日、新しい天皇の即位に合わせて元号が令和に改められ、30年と113日間の平成が幕を閉じました。

重大ニュース2

消費税が8%から10%に引き上げ

 10月1日から消費税が8%から10%に引き上げられ、増税に伴い軽減税率が初めて導入されました。軽減税率とは、食料品など生活必需品の税率は据え置き、家計の負担を軽くする制度。しかし、外食レストランなどでは、お持ち帰りは軽減税率の8%が適用されるのに、店内で飲食すると10%の消費税が課され、同じ食品でも税込み価格が異なるケースが出ました。そのため、「わかりにくい」という声も。

重大ニュース3

吉野彰さんがノーベル化学賞受賞

 10月9日、2019年のノーベル化学賞が発表され、リチウムイオン電池を開発した、旭化成名誉フェローの吉野彰さんと、アメリカの教授2人に贈られることになりました。日本人のノーベル賞受賞は27人目、化学賞では8人目となります。受賞を受けて、吉野さんが科学に興味を持つきっかけとなった本として挙げた『ロウソクの科学』(イギリスの科学者ファラデー著の科学書)にも注目が集まりました。

アメリカ国籍の2人を含む。

「百舌鳥・古市古墳群」世界文化遺産に

 7月6日、国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の世界遺産委員会が、大阪府の「百舌鳥・古市古墳群」を世界文化遺産に登録することを決定しました。国内の世界文化遺産の登録は19件目、自然遺産を含めると23件目です。これらの古墳群は、堺市の百舌鳥地域と、羽曳野市・藤井寺市にまたがる古市地域に密集していて、4世紀後半から5世紀後半につくられた49基の古墳で構成されています。

 

百舌鳥古墳群(大阪府堺市)。

参院選で自公が野党に勝利

 7月21日、参議院議員選挙が行われ、自民党と公明党の連立与党が、改選定数124議席の過半数を上回る71議席を獲得。野党(立憲民主党、国民民主党、日本共産党など)に勝利しました。投票率は48.8%と過去最低だった1995年(44・52%)に次いで2番目の低い結果に。18、19歳の投票率が31・33%と低く、政治に無関心な若者が多い現状が浮き彫りになりました。

台風15号、19号で甚大な被害

 9月9日、台風15号が千葉市付近に上陸、関東を北上し、多くの家屋で屋根が吹き飛ばされるなどの被害が出ました。千葉県内を中心に2000本以上の電柱がなぎ倒され、93万戸以上が停電。復旧作業に時間がかかり、大勢の人が不便な生活を余儀なくされました。
 10月12日~13日にかけては、台風19号が東日本を縦断し、関東や東北で猛烈な雨が降りました。神奈川県箱根町では12日、例年の10月1か月分の雨量の3倍以上にあたる約1000㎜の雨が48時間で一気に降り、観測史上1位を更新。箱根以外でも、記録的な大雨が長時間降り続いたことで、住宅の浸水や河川の氾濫、堤防の決壊が相次ぎ、堤防の決壊は71河川、140か所にのぼりました。気象庁は、東京や埼玉、神奈川など1都12県に「大雨特別警報」を出し、厳重な警戒を呼びかけました。

首里城で火災

 10月31日未明、沖縄県那覇市の世界文化遺産・首里城跡で火災が発生、正殿、北殿、南殿などが全焼しました。首里城は、沖縄最大の城郭で、約450年続いた琉球王国の政治と文化の中心地でした。建物は第2次世界大戦で失われましたが、その後、復元されました。火災を受けて緊急記者会見を開いた那覇市の城間幹子市長は、「琉球のシンボルを失った」と沈痛な思いを語りました。

ローマ教皇、38年ぶりに来日

 11月23日、ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇が、38年ぶりに来日しました。被爆地の長崎と広島を訪れ、犠牲者に祈りを捧げると共に、世界に向けて、核兵器廃絶のメッセージを発信しました。

スポーツ界のニュース

八村塁選手、NBAデビュー

 6月20日、NBA(アメリカのプロバスケットボールリーグ)のドラフト会議が行われ、八村塁選手がワシントン・ウィザーズから1巡目9位指名を受けました。ドラフトの1巡目指名は日本人初の快挙です。八村選手は、10月23日(日本時間24日)のシーズン開幕戦で先発出場し、14得点をあげる活躍をみせ、華々しいデビューを飾りました。

ラグビーW杯で日本が初のベスト8に

 9月20日、ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会が開幕。日本は、1次リーグの初戦でロシアに30対10で勝利、優勝候補のアイルランドには19対12で逆転勝ちを収めました。サモア戦、スコットランド戦にも勝利した日本は、4戦全勝で1次リーグを突破。悲願の決勝トーナメントに進出しました。準々決勝では、今大会で優勝した南アフリカに敗れたものの、初のベスト8入りを果たしました。強豪を相手に堂々と戦い、大健闘した日本チームの熱いプレーに、日本中が大きな声援をおくりました。

ラグビーワールドカップ準々決勝の日本対南アフリカ戦で、相手チームの選手をかわしボールを死守するリーチ・マイケル主将(中央)。

東京オリンピック、マラソンは札幌で開催

 11月1日、2020年東京オリンピックのマラソンと競歩を、北海道札幌市で開催することが決まりました。国際オリンピック委員会(ⅠOC)が10月16日、暑さ対策として東京から札幌に移す計画を東京都への事前の連絡なく発表したことで、波紋が広がりました。

日本をめぐる世界の動きと各国のニュース

G20大阪サミット開催

 6月28日~29日、大阪で、主要20か国・地域首脳会議(G20サミット)が開かれました。安倍晋三首相が議長を務め、主要国のリーダーたちが一堂に会する中、世界経済や貿易・投資についての他、世界的な気候変動や環境・エネルギー問題などをテーマに議論が展開されました。
 各国の首脳会談も行われました。安倍首相とロシアのプーチン大統領日露首脳会談に臨み、その結果を共同記者発表で報告しました。プーチン大統領は、日本との平和条約交渉について、「両国の国民が受け入れられる解決策を探る」と述べましたが、焦点であった北方領土問題に具体的な進展はありませんでした。アメリカのトランプ大統領中国の習近平国家主席による米中首脳会談では、貿易交渉を再開することで合意しました。しかし、お互いに制裁関税をかけている状況は変わっておらず、米中貿易摩擦は続いています。
 女性の活躍を推進するイベントも開かれました。特別ゲストとして、トランプ大統領の長女イバンカ大統領補佐官が出席し、「世界で最も過小評価されている資源は、女性の熱意と才能」と述べ、女性の社会進出を促す重要性を訴えました。

G20大阪サミットで同席する、ドナルド・トランプ米大統領、安倍晋三首相、習近平中国国家主席(左から)。写真:The New York Times/Redux/アフロ

トランプ大統領、北朝鮮へ

 2月、ベトナムの首都ハノイで、トランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長首脳会談を行いました。両首脳の会談は、2018年6月以来、2度目。6月にトランプ大統領が訪朝した時には、韓国と北朝鮮を隔てる軍事境界線上にある板門店での会談が実現。トランプ大統領は、現職のアメリカ大統領として初めて、北朝鮮に足を踏み入れました。

米中の間で長引く貿易摩擦

 アメリカと中国の間で2018年から続く貿易摩擦は、2019年、さらに激しさを増しました。トランプ大統領が中国から輸入する鉄鋼製品に関税を上乗せすると表明したことがきっかけとなったこの問題は、互いに関税をかけ合う応酬が続いています。9月1日には、米中の両政府が、「第4弾」となる制裁・報復の追加関税を同時に発動。両国の争いには、解決の糸口が見えていません。

悪化をたどる日韓関係

 日本は7月、韓国向けの半導体関連の3品目について輸出規制を強化し、8月には、輸出優遇国(ホワイト国)のリストから韓国を除外しました。一方、韓国側は9月、輸出管理の優遇対象国から日本を除外するなどして、両国の関係が悪化。韓国では日本製品を買わないようにする不買運動が起き、日系企業の売り上げが落ち込むなどの影響が出ました。また、韓国は8月、日本との軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を日本側に通告していましたが、11月、協定の失効期限直前に通告の効力を停止すると発表。GSOMIAの失効は回避されました。

香港で民主化デモが激化

 香港では、「逃亡犯条例改正案」に反発した市民による政府への抗議デモが過激化・長期化しました。この改正案によって、香港で捕まった犯罪の容疑者を中国本土に引き渡せるようになり、「一国二制度」に基づく香港の自治が維持できなくなります。その後、改正案は撤回されましたが、市民の怒りは収まらず、事態は今も収束していません。

6月16日には、約200万人もの市民が参加した大規模なデモが行われました。

EU離脱で揺れるイギリス

 イギリスでは、EU(欧州連合)からの離脱をめぐって混乱が続いています。2016年の国民投票では離脱が過半数を制し、メイ前首相がEUとの離脱交渉を重ねていましたが、イギリス議会で意見をまとめられず、5月に辞意を表明。新しく就任したジョンソン首相は、EUからの離脱を何としても進めると主張しています。

グレタ・トゥンベリさんの訴え

 スウェーデンの環境活動家、16歳のグレタ・トゥンベリさんが9月、国連気候行動サミットで演説し、世界の気候変動が加速したのは地球温暖化対策をしてこなかった大人の責任と怒りの声をあげました。気候危機の影響を受けるのは私たち若者であると訴えるグレタさんの行動は、世界中の若者の共感を呼びました。